県高校野球選手権 投手陣でつかんだ優勝 柳ケ浦、接戦制し夏へ弾み 【大分県】
野球
4強の戦いが始まる! 主将が語る頂点までのプラン 夏の甲子園予選2019
2回戦でシード校の大分、津久見が破れ、3回戦でも日本文理大学付属、三重総合が涙をのむ結果となった第101回全国高校野球大分大会。一方、明豊は前評判通りに力のある投手陣に隙はなく、大分工業もエース日高翔太(3年)を中心に守りの野球で順当に駒を進めた。今大会の番狂わせを起こしているノーシードの大分商業は、準々決勝で情報科学相手に9回に逆転勝利し、追い風だ。同じくノーシードながら3試合連続コールドで勝ち上がった藤蔭の打力は、一気に頂点まで突き進む勢いがある。
夏の覇者はどのチームか。準決勝を前に各校の主将に意気込みを聞いた。
7月24日 第1試合 準々決勝 別大興産スタジアム
大分工業 200 000 010 01|4
杵 築 000 001 011 00|3
大分工業 捕手・今宮悠斗(3年)
Q:準々決勝では5打数2安打3打点の活躍。試合を終えての感想は?
(一回1死二、三塁の場面では)真ん中真っすぐを振り抜きました。試合前にオーダーを知らされて(3番から)4番だったのでびっくりした。責任を感じたが1、2回戦は活躍できなかったので、今日は自分が試合を決めるとの気持ちで臨みました。七回から日高の球威が落ちていたので(八回2死一、二塁の場面で)タイムリーが出たときは、これで逃げ切れると思ったが杵築は粘り強かったです。
Q:九回には一打逆転のピンチがありましたが、見事に救援に成功した田中健聖投手(2年)にどのような言葉を掛けたのですか?
「お前に任せた」。それ以上は声を掛けていません。アイツは度胸があるし、毎日誰よりも早く練習に来てコツコツと練習してきました。真っすぐとスライダーが持ち味なので、思い切り良く投げてもらいました。一度相手に傾きかけた流れを持ってきてくれました。
Q:いよいよ準決勝です。どんな試合にしたいですか?
徐々にチーム状態は上がっています。守備から流れをつくれています。日高も田中もいい球を投げてくれています。藤蔭戦へ準備はできています。2つ勝って甲子園に行くだけです。
Q:では、どんなプレーでチームの勝利に貢献したいですか?
杵築戦はリード面で不満の残る試合になってしまった。その反省を生かし、バッティングは得意なので、何番になってもチャンスで回ってきたら得点に結びつけたいです。
7月24日 第2試合 準々決勝 別大興産スタジアム
大分南 000 00 |0
藤蔭 072 01×|10(5回コールド)
藤蔭 二塁手・松尾将(3年)
Q:3試合連続のコールド勝ち。打線が好調の要因は?
大分南戦は初回に打たされましたが、修正して2巡目からボールをしっかり見て、遅い球にも対応できたと思います。打ち勝った試合でもありますが、投手陣が失点を抑えてくれているので勝てていると思います。
Q:守備の要としてチームを引っ張っています。失策もなく、走塁を絡めた攻撃は見事ですね。
確実にアウトを取れる守備を目指しています。走塁ではウチは全員が走れるので、常に隙を狙っています。打線も上位、下位関係なく、どこからでも得点できます。どうやって点を奪うかイメージが共有できていると思います。
Q:準決勝では大分工業と対戦します。印象は?
力のあるチーム。ピッチャーの日高くんはコントロールが良く県内でも上位ランクの投手。田中くんも春の県選手権で対戦し、自分たちのバッティングをさせてもらえなかった。これまで大量得点できたが、大振りをせずに、コンパクトなバッティングを心掛けて、これまでと同じように先行して、自分たちに流れを持ってきたいです。
Q:冬場から今大会前まで素振りを続けたということですが、どんな素振りをしたのですか?
全員が本気で素振りをしました。コンパクトで強いスイングができるように、一振り一振りに全神経を集中した結果が、この大会で発揮できています。打球の質が変わったと感じています。これまでの藤蔭の野球は守備からリズムをつくっていましたが、今は自分たちから仕掛けて主導権を握れています。次の試合もミスをなくし、打ち勝ちたいです。
7月24日 第4試合 準々決勝 別大興産スタジアム
中津東 000 000 0|0
明豊 303 010 ×|7(7回コールド)
明豊 二塁手・表悠斗(3年)
Q:中津東戦を振り返ってもらえますか。
新チームになって初めての公式戦(秋の県選手権)で中津東に負けました。あの負けから自分たちは弱いと自覚してスタートしたので、この1年間の思いをぶつけました。夏の大会は1点差で勝てばいいとは思っていますが、コールドで勝てたので、この先の厳しい日程を戦う上で体力の消耗を抑えることができました。これから先も今日みたいな試合の入り方ができればと思います。
Q:春のセンバツから今大会まで、チームとして上積みできたことは?
センバツが終わってチーム全体のバッティングが上がりませんでした。その後の県選手権で情報科学に負けたことで、悔しさとともに甲子園に行きたい気持ちが強くなりました。そこから全員の目の色が変わり、今大会までそれぞれが調整でき、ヒット数が増えました。
Q:表選手自身も調子が上がっていますね。この試合は3打数2安打、状況に応じたバッティングができているのでは?
初戦に比べるとしっくりはきているけど、まだまだです。メンバーに入れなかった3年生がバッティング投手や補助に回ってサポートしてくれているので、一緒に戦ってきた仲間のためにも責任のあるプレーをしなければいけないと感じています。
Q:試合後に中津東の選手から「絶対に甲子園に行ってくれ」と千羽鶴を受け取っていました。敗れたチームのためにという思いもあるのでは?
これまで対戦した相手の思いと一緒に甲子園に行くしかない。中津東は地元の高校だし、小学校から一緒に野球をやってきたメンバーもいる。今日は複雑な気持ちでしたが、試合が終わった後に「自分たちの分まで頑張ってくれ」と言われ、すごく力をもらいました。
Q:次は大分商業と対戦します。どのような試合を想定していますか?
準々決勝でいい勝ち方をして勢いがありますが、僕たちは挑戦者であることに変わりはありません。上を見過ぎず、目の前の相手と全力で戦いたいと思います。
(柚野真也)
7月24日 第3試合 準々決勝 別大興産スタジアム
大分商業 010 040 003|8
情報科学 003 002 020|7
大分商業 捕手・橋本圭晟(3年)
Q:見事な逆転勝利で準決勝を決めました。感想は?
この前の試合(3回戦の日本文理大学付属)と同じように気持ちが入っていました。先制していい流れだったのですが、2度も逆転されたのは甘さがあったということ。僕の配球も甘かったと反省しています。ただ、それでも逆転できたのは成長しているのかなとは思います。これから先の対戦相手は隙がないので、厳しい試合になると思いますが、全員で乗り越えられるチームだと思っています。
Q:今大会を通してチームもエースの川瀬堅斗投手(2年)も成長できています。
チームは打線がつながり、どこからでも得点できるようになっています。勝つことで自信をつけています。堅斗は試合の入りは悪かったですが、徐々に調子を上げました。イニング途中での修正は難しいですが、ベンチで、どこが悪くて、どうすればいいか話せば修正できるところはすごい。今日は高めに抜けるボールが多く、8回は握力が落ちていました。真っすぐを要求してもボールが上ずったので、監督に交代のサインを送りました。
Q:捕手として、1番打者として、今後の試合はどのようなプレーでチームの勝利に貢献したいですか?
まずは配球をしっかり考え、ピッチャーの持ち味を最大限に生かし、守備の要としてチーム全体を落ち着かせるようにプレーをしたいです。打撃では1番バッターとして監督の期待に応えられるように出塁率を上げたい。3年生は負ければ終わりなので、ここまできたら優勝、甲子園を目指したいです。