
サッカーU―17日本代表 代表の誇りを胸に、平野稜太が世界へ挑む 【大分県】
サッカー
結果、内容も想定以上
チーム強化は計画通り
今季のチーム目標を「勝点45、J1残留」に設定。半分を終えた段階で勝点29、暫定4位という結果は、チーム強化が計画通りに進んでいると評価できる。就任4年目の片野坂知宏監督の下、一貫したチームづくりをしてきた結果だ。
戦術面でやるべきことは明確。GKを含めた低い位置からひるまずに試合を組み立てる。丁寧なパスをベースに相手の守備陣形やポジションの変化を察知し、サイドを経由することもあれば、隙あらば縦パスを通して一気にゴールを突く。
今季新加入の選手ものみ込みが早く、MF小塚和季やFW高山薫らは開幕戦から先発に定着した。監督やコーチ、既存選手との対話を深め、FWオナイウ阿道は6点と及第点の結果を残し、スーパーサブとして切り札となりつつあるMF小林成豪は2試合連続得点と持ち味を出している。自分たちから主導権を握る、ゴールに迫る勢い、というコンセプトを意識できている。
また、「最後まで何が起こるか分からない」ということを全員が意識している。「攻撃の狙い、守備の狙いを90分間切らさずにできている」。16節の神戸戦は2度のリードを奪われながら試合終了間際に追いつき、引き分けた。先制点を奪われても、慌てず自分たちのサッカーをやれているのは、精神面の成長でもある。
前半戦は結果も内容も想定以上だった
目標はあくまでもJ1残留
現有戦力のレベルアップにより、
来季以降のベースを組み立てる
ただ、松本や広島など、引いた相手に対して攻めきれない場面が多かった。後半戦は大分が苦戦した試合を参考に、対策を練ってくる。ボール支配を高めながら、いかに相手を崩すのかが大きなテーマとなる。勝つためには今以上の得点が必要となる。ゴールまでの道を生み出すためにアイデアを創造できる小塚や、縦への鋭いドリブル突破を持つ小林らリズムを変えられる選手の特徴を引き出しながら、チームとしての戦い方に幅を保たせたい。
さらに、夏場を迎えコンディション不良や故障者が出る恐れもある。不測の事態に備えて、補強の体制を整えておかなければならない。ポジション別に、どこか大きく欠けていることもないが、充実しているとも言えない。
今後の補強に関して、西山哲平強化部長は「その時の状況に合わせて対応していくしかない」。現場と相談しながら進めていくとし、「今いる選手を信じて戦う」と話した。今は全員が高いモチベーションを維持している。出場停止や故障離脱など状況に備え、チャンスをものにする選手も出てくるだろう。
現有戦力がこの夏を通してチームの底上げをすることが一番の補強と考えている。今季の目標はあくまでもJ1残留。個人のレベルアップ、戦術の確立、そして選手層を厚くすること。来季以降のベースの組み立てが優先であり、リーグ戦のトップグループに留まるための補強を無理に進めるのではなく、常にチームが右肩上がりになるように後半戦も戦ってほしい。
後半戦も得点の期待が高まる藤本憲明
(柚野真也)
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