県高校野球選手権 投手陣でつかんだ優勝 柳ケ浦、接戦制し夏へ弾み 【大分県】
野球
夏の甲子園予選特集① 勢いに乗る大分 まずは県内王者、そして甲子園
7月7日に別大興産スタジアムで幕を開ける「第101回全国高校野球選手権大分大会」。藤蔭が28年ぶり2度目の優勝を飾った前回大会から約1年。再び、この季節がやってきた。45校44チームがそろい、高校球児の夢舞台への出場権を懸けた戦いが幕を開ける。大会直前特集として、シード上位4校を紹介する。第1回は春のセンバツに出場した大分高校。
戦力分析 総合40
攻撃力 9
7〜9番の下位打線がつながれば得点は増産できる
守備力 7
失策絡みの失点は懸念材料、一つのミスが命取りとなる
機動力 8
追われる立場となり、細かな走塁まで目が行き届いている
投手力 8
エース長尾凌我(3年)のほか、左右で2番手が育ち、充実した
選手層 8
足立駿主将(3年)の復帰で戦力は整った。3年生に力あり
(1〜10の段階評価)
昨秋の九州地区大会でベスト4に入り、大分高校初となる春のセンバツ出場を果たし、今春の九州大会でもベスト4。着実にレベルアップし、結果を残した。それでも「新チームになってから県内大会で一度も優勝していない」(松尾篤監督)と、手にしていない“大分県No.1”の称号を勝ち取ることが今大会の命題だ。
「打ち勝つ野球」を掲げ、バットを振り続けた時間は結果につながった。打線に切れ目なく、チームには「ここ一番での一本」が強く意識づけされており、集中打を浴びさせてビッグイニングをつくり出す。走塁では隙あらば誰もが進塁を目指し、好投手を揺さぶり、攻略する術を知っている。勢いに乗れば大量得点で一気に試合を終わらせる迫力がある。
3年生の結束力がチーム力に
一方の守備は、安定感のある長尾は大舞台を経験したことで投球術の幅が広がり、それをコントロールする精神力が格段に上がった。エースの長尾が軸になることに変わりはないが、左の飯倉優侃(2年)、右の御手洗鼓海(3年)も春の九州地区大会で経験を積めた。対戦相手によって投手を使い分けることができそうだ。守備は失策絡みの失点の多さが気がかりではある。松尾監督は「夏の大会は一つのエラーが命取りになる」と気を引き締めながらも、ミスを前提に投打でカバーする試合運びを考慮している。
1年間の貴重な経験は大きな財産だ。全国の強豪校と対戦し、練習から意識が高くなり、「自分たちに何が足りなくて、それを補うためには何が必要か考えうるようになった」と足立主将。“あの場所(甲子園)にもう一度”を合言葉に県大会に臨む。
【過去1年間の県内主要大会の実績】
第100回全国選手権大分大会 1回戦敗退
第134回県選手権 ベスト4
第143回九州地区大会 ベスト4
第135回県選手権 準優勝
(柚野真也)