
珠玉の一枚 Vol.40 【大分県】
剣道
2016年の創部以来、立ち止まることなく快進撃を続けている明豊高校剣道部。昨年は全国高校総体で3位に入賞するなど、その実力はすでに全国にとどろいている。1月23日に行われた全国高校剣道選抜大会の県予選でも圧倒的強さで優勝し、全国への切符をつかんだ。
現在、部員は2年生12人、1年生11人。特に2年生には全国でもトップクラスの実力を持つ選手がそろい、どこからでも攻撃できる穴のないチームに仕上がっている。岩本貴光総監督は「今年は日本一になるためにチームをつくった。自分を信じて力を出し切れば必ず勝てる」と断言する。
登録メンバーは岩本総監督が「いずれも甲乙つけがたい実力者」と評する2年生7人。現在は、通常の練習に加え、2カ月ごとにキャプテンを持ち回りで経験させるという新たな試みを行っている。「チームをどうまとめるか考える。指示を聞く立場、指示を出す立場の両方を知る。そういう経験を積み重ねることで人の心が分かるようになる。剣道は心の読み合い。勝つために必要な力を身に付けることができる」と岩本総監督。
日常生活においても、集中して勉強する、時間を守る、あいさつをするなど、簡単なようで難しい“当たり前のことを当たり前にする”を徹底し、察する力や気づく力を養っているという。その成果は着実に実を結び、技術を超えた部分でチームはさらなる成長を遂げようとしている。
質の高い稽古で技術を高める
全国選抜でキャプテンの大役を担うのは児玉一輝(2年)。抜群の運動神経を誇り、スピードとキレのあるアグレッシブな剣道が持ち味。自分のペースに持ち込むことができれば、無類の強さを発揮する。全国へ向け「目指すは日本一のみ。ただ、まだ一人一人の意識が日本一にふさわしいものとはいえない」と気を引き締める。
児玉の気持ちは2年生メンバー全員に共通するものだ。剣道も人間性も抜きん出た蔵座透真、ミスがなく安定感に定評がある飯田大翔、急成長中で「ハマればチーム一の実力を発揮する」と岩本総監督に言わしめる正木蓮、堅実な剣道で勝利に貢献する松原正明、恵まれた体格のポイントゲッター里脇大河、堂々とした剣道で相手を圧倒する藤崎敬。それぞれが悲願の「日本一」を胸に刻み、練習に打ち込んでいる。
ここ数年で一番日本一に近いといわれる今年の明豊。全国選抜までの残りわずかな期間を全力で駆け抜ける。
実力者が多く、目標は日本一のみ
(甲斐理恵)
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