
珠玉の一枚 Vol.40 【大分県】
剣道
明豊の剣道部といえば、創部以来快進撃を続ける男子に注目が集まりがちだが、今年は女子への期待も高まっている。2月に行われた全国高校剣道選抜大会の県予選団体で優勝し、日本一に挑戦する。
部員は1年生5人、2年生5人。大黒柱は大将を務める釘宮理沙(2年)。身体能力に優れ、「困ったときは釘宮で」と言わしめるチームの要。キャプテンで副将の宮田陽子(2年)は、岩本貴光総監督いわく「明豊剣道の体現者」。統率力、協調性も高く、精神的支柱としてチームを牽引(けんいん)する。
堅実な試合運びでチームに勢いをもたらす先鋒の松原涼(2年)は、中学時代の目立った実績はないが高校に入って急成長を遂げた。次鋒の芦田敬子と中堅の奥日菜乃は1年生だが、それぞれ中学時代からポイントゲッターとして活躍した経歴を持つ。岩本総監督が「総合力は男子よりも上かもしれない」と話すように、5人が団結することで日本一になるチャンスは十分にある。
個人の能力だけでなく総合力も高い明豊
岩本総監督は、目標である日本一を達成するためのキーワードを「先手必勝」とする。これは剣道における3つの“許さぬところ(隙)”の一つ「出るところ(攻撃する瞬間)」を意識したもので、先にポイントを取れば後半に相手は攻撃に転じるしかなく、そこに副将、大将が大きなチャンスを見いだすことができる。好機を見れば腹を決め、身を捨てて打って出る覚悟だ。
逆に、先取されれば、後半相手は守りに入り、レベルが高いほどそれを打ち崩すのは容易ではない。実力者ぞろいの全国で勝つにはそれぞれが自分の役割を理解し、団結して戦うことが必須となる。
「試合は稽古のように、稽古は試合のように」の言葉が示すように、試合で練習通りの力を発揮するには練習量と、どれだけ場数を踏んだかがものをいう。コロナ禍の中、練習に励み、実力校との練習試合を重ねて日本一へ向けて確かな手応えをつかんでいる。
目標は全国制覇(撮影のためマスクを外しています)
(甲斐理恵)
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