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柔道 高田高校 積み上げた練習が59年ぶりの優勝に

柔道 高田高校 積み上げた練習が59年ぶりの優勝に

 代表戦までもつれ込んだ県高校総体の柔道男子団体戦。高田が前大会王者を敗り59年ぶりの頂点に輝いた。田川晋治監督は「選手が一つになって頑張った。この優勝は来年、再来年につながる」と大きな手応えをつかんだ。同校に赴任して5年、前任校の国東では16年間勤め県内屈指の強豪校に作り上げた。「国東半島は柔道の土壌がある。これからも絶やさず、一生懸命努力する選手を見守るだけ」と柔和の表情を浮かべる。

 

 若い頃は熱血指導で知られた田川監督だが、今は“見守る指導”で選手が伸び悩んでいれば声を掛け、アドバイスを送る。県高校総体前も気負い過ぎる選手たちを見て、「試合を楽しもう」を合言葉にして肩の力を抜かせた。特別な指導や練習をするわけでもない。ただ、「漠然と練習しても意味がない。自己目標達成のために自分に足りないことを見つけ、自分を高めることで力はつく」(田川監督)。県高校総体では今まで積み上げた成果が形となった。

 

 全国高校総体では一戦必勝で目の前の試合に集中する。ポイントゲッターとなる近藤秀斗(3年)は「チーム一丸となって諦めずに戦い、いい形でつなげていきたい」と、まずは初戦突破に集中する。全九州高校大会では1、2年生の底上げを主軸に置いたため予選敗退となったが、九州の強豪校と対戦したことで課題が明確になった。「高校生はメンタル、心の影響が試合に出る。どれだけ自信を持って畳の上に立てるか。それにはやはり練習しかない」と田川監督。全国高校総体に向けて、練習から鬼気迫るものを感じた。

 

全国高校総体では初戦突破に全力を尽くす

 

注目の選手

 

近藤秀斗(3年)

164cm、61kg、戴星学園小中学校出身

 

 全国高校総体は団体戦と個人戦60㌔級で出場する。軽量級の選手であるが団体戦では重量級の選手と組み合っても力負けすることはない。パワーがあり、スピードとキレを備えた実力者は、全九州高校大会の個人戦で2位となった。

 田川監督は「ウチの頼りになるエース。全国高校総体個人戦でも優勝を狙える位置にいる」と称す。中学の頃から高田高校に出稽古に来ては、高校生を相手に練習してきた。家は高校のすぐ近くという“高田”の地元っ子が、得意の背負い投げで全国に高田の名を知らしめる。「緊張はするしプレッシャーもあるが、勝つためにできることをするだけ」と力強く語った。

 

 

(柚野真也)