中津北高校 アクシデントを乗り越え、涙でつかんだ頂点

2017/06/22
  • 高校総体

 過去10年で8回の優勝経験を誇る中津北のバスケにブレはない。大津留礎監督は「この試合のために自分たちが取り組んできたことが実を結んだ」と決勝の舞台を振り返る。

 

 つかんだ勝利は“自分たちの軌跡”だ。どこよりもプライドを持ち、バスケに真摯(しんし)に向き合っているという自負はありながらも、この大会を制するまでの道のりは決して平坦ではなかった。

 

 主力メンバーの多くが故障を抱えていたが、指揮官は共に歩んできた3年生と後悔せずに戦うことを選択した。決勝リーグの大分商業戦では、キャプテンの畑中みつみ、チームの得点源となる東真菜の3年生を中心にクレバーなバスケで得点を重ねた。終盤は猛追され接戦となったが、日頃から鍛え上げた精神力で逃げ切り頂点をつかんだ。

 

 選手たちが万全な状態であれば、もっとハードにディフェンスができ、最後まで主導権を握れたかもしれない。しかし、今できる最大限の力を表現できた試合だった。「あの子たちの一生懸命な姿を見ていたら、負けるはずはないと思った」。どんな時でも選手たちを信じる大津留監督の言葉がすべてを表していた。

 

 最高の形で締めくくったが、全国へ向けてもう一度初心に返るようだ。愛にあふれた指揮官と自主性の高い選手のバスケが全国の舞台で羽ばたく姿に期待したい。(塩月なつみ)

 

 

■注目選手■

背番号4 畑中みつみ(3年) ポイントガード

145cmと小柄ながら持ち味のスピードと冷静にチーム状況を判断できるキャプテンシーを持つ。「すべてはチームのために」と見る者を感動させるプレーでチームを引っ張る。

 

背番号5 東真菜(3年) シューティングガード

チーム1の点取り屋で決勝リーグの藤蔭戦では39点をマークした。バスケの感性が素晴らしく、「県内で彼女を上回る選手はいない」と大津留監督は太鼓判を押す。精神面も成長し、インターハイでの活躍が楽しみな選手。

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