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夏の主役たちvol.2 ハンドボール女子 逆境を乗り越えた大分が日本一を目指す

夏の主役たちvol.2 ハンドボール女子 逆境を乗り越えた大分が日本一を目指す

 3月の全国高校選抜大会から県高校総体まで「あっという間に時間が過ぎた」と語るのは、大分高校女子ハンドボール部の滝元泰昭監督。新型コロナウイルスの感染予防対策に追われ、県外との試合だけでなく練習も制限されたなかでチーム強化を図った。1年生の頃から試合に出ているメンバーが主力となった新チームは、先発に3年生の名が連なる。全国でも戦える力はあるが「実戦経験がないので選手が自信を持てないでいる」(滝元監督)ことが悩みのようだ。

 

 腕試しとなる九州大会は秋、春ともに中止となり、全国高校選抜大会では初戦で、優勝した名古屋経大市邨(愛知県)に敗れた。滝元監督は「1試合でも多く経験を積ませたかったが、それができなかった」と強化プランを見直したが、5月の連休も県外遠征を控えることを余儀なくされ、6月の県高校総体前は練習がほとんどできない状況だった。

 

 県高校総体では、キャプテンの吉積亜美(3年)が「フルメンバーで試合ができず、ポジション変更などして何とか優勝できたけど、納得できる内容ではなかった」と振り返るように、即席メンバーを組んだが気持ちが空回りし、本来は安定感のあるチームがミスを繰り返した。それでも、次のステージとなるインターハイ(全国高校総体)の出場権を得たことは大きい。

 

インターハイに向けて練習にも熱が入る

 

 「試合に出たメンバーも出られなかったメンバーも、悔しい思いをしたのは同じ。この経験をインターハイでぶつけたい」とは後藤真子(3年)。ふがいない試合をしたエースは「チームが苦しいときに点が取れる存在になりたい」との思いを強め、3年生にとって集大成の場となるインターハイで「日本一を目指す」と明確な目標を打ち出す。

 

 堅守速攻はこれまでと変わらないが、実戦経験を積めない期間に個々のシュートパターンを増やし、シュートエリアを広げた。セットプレーからの得点も増え、チーム状態は上向きだ。試合勘がどれだけ戻るかは懸念材料だが、本番に向けて、今後は県外の強豪校との試合を組み、勝負にこだわり、成功体験を重ねていく。吉積は「自信を持って試合ができるように、今は一つでも多く試合をして、自分たちのスタイルを確立したい」と話し、後藤は「日本一しか考えていない。その目標を達成するためには強い気持ちと自信が必要」と意気込みを語った。

 インターハイのハンドボールは8月15日から、福井県民ホールなどで開催される。

 

日本一奪還の挑戦がはじまる

 

(柚野真也)