
珠玉の一枚 Vol.41 【大分県】
その他
他を寄せ付けず圧勝―。県高校総体ボウリング競技の女子個人で3連覇を遂げた岩本藍樺(大分3年)は、「3連覇は意識していた。めっちゃうれしい」と声を弾ませた。3ゲームのトータルスコアで勝敗を決める個人戦。1ゲーム目を225で終えると、それ以降も221、221と最後まで安定感ある組み立てで制した。田中良平監督は「ローゲームがないのが岩本のすごさ。コントロールが良く、回転もタイミングも良かった」と勝因を挙げた。
不安がなかったわけではなかった。大会1週間前に自転車で転倒して練習できなかった。前日の夜にようやく本調子で投げられるようになり調整した。当日まで青あざは消えることはなかったが、試技でレーンの特徴をつかみ、ストライクコースを見極めた。1投目でストライクを取ると、軽快な滑り出しで試合を進めた。
岩本の投球フォームはクラシックスタイルでバランスが良い。ボールの重さを利用したダウンスイングから先方に押し出す動作もスムーズ。「体幹がしっかりしていて、元々の運動神経も良い。再現性の高いフォームで大崩れすることがない」と田中監督。乱れぬスローとボールコントロールでピンを倒し続ける。岩本は、「ストライクが続き力が入った」と話すようにピンが割れスプリットは多かったが、集中力を乱すことはなかった。
安定したフォームで大崩れすることはない
「高校になって練習量が増え、細かな部分まで指導してもらえた。試合に向けての心構えなどを教わり、安定して力を出せるようになった」。岩本は3年間の自身の成長をこう振り返る。週に一度、プロボウラーからの指導を受け、どんな環境であっても安定したパフォーマンスが発揮できる、それがプロとアマの大きな差だと実感してから「コンスタントにスコアを残せる選手になろう」と思った。
「後半にもっと点数を上げたかった」とギアアップとスタミナが今後の課題。それでも県内負けなしで終えた実力は本物。毎年、夏休みに開催される高校個人戦最高峰の「JOCジュニアオリンピック全日本高校ボウリング選手権大会」が延期になり、見据える先は12月開催予定の全国高校対抗選手権大会となる。女子の優勝アベレージは220超え。岩本にも十分チャンスがある。目指すは日本一だ。
3連覇を達成した岩本藍樺
(柚野真也)
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