
珠玉の一枚 Vol.41 【大分県】
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県高校総体テニス競技は、個人戦シングルスのみの開催となる。3年生にとっては高校生活最後の大会。団体戦で学校の名を刻むことを目標にしていた選手も多いが、「自分にとってベストな大会になるように」と気持ちを切り替えている。女子の優勝候補は昨年の県総体で11年連続優勝、九州新人大会5位入賞を果たした福徳学院。7人だった少数精鋭チームに1年生も加わり、現在は11人。練習再開後、テニスができる喜びを体現するように、日差しがまぶしいコートを全力で走り回っている。
チーム唯一の3年生でキャプテンの台百華にとって、全国高校選抜大会が中止になった後、全国高校総合体育大会(インターハイ)での活躍をモチベーションとしていただけに、インターハイ中止のショックは大きかった。曜日崇監督は、「福徳学院で全国へという目標を持って入学しただけに、今回の事態は本当に辛かったと思う」と振り返る。台とは時間をかけて対話を重ねた。県高校総体に向けて「今までやってきたことは間違いないと証明する試合をしてくれるはず」と、集大成の大会に懸ける思いをサポートする。台は「自分の気持ちが下がっていたら後輩たちに伝わってしまうと思って切り替えた。3年間指導してくれた監督や、支えてくれた親に感謝を表すためにも、優勝を目指す」と前を向く。
1年生が加わり練習も活気付いた
台を中心に部活動休止中も互いに情報交換を重ね、筋力強化などに取り組んだ。「コートでボールを打つことだけが練習ではない」と自分や仲間を励ましながら、その取り組みをそれぞれがノートに記録。強化すべきことを改めて自覚するきっかけにもなっている。また、練習が再開されたとはいえ対外試合ができないため部内戦を開催。通常の大会と同形式で順位を決め、上位選手には賞状を渡すというもので、「3月から5月の経験値はゼロに等しい。チーム内で競い合うことで試合の意識付けをした」(曜日監督)。今できることで試合勘を養いながら、一人一人がベストな状態で県総体に挑む。
3年生は自身の集大成として、そして歴史をつなぐ後輩のために。後輩は3年生の雄姿を全力でアシストする。個人戦といえども、チームの力も優勝へのカギになりそうだ。
上位を独占しそうな福徳学院
(黒木ゆか)
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