栃木国体 空手道成年女子形 女王の風格漂う大野ひかるが3連覇 【大分県】

2022/10/05
  • 国体

 大野の切れのある動作のたび、しんと静まり帰っていた会場の空気が変わる。演武が終わるとどよめきが起こる。連戦が続く国際大会で今大会のコンディションは万全ではなかったが、「今できることを最大限に出せた。応援してくれる方々のために結果を出せ、恩返しができた」と笑顔で振り返った。

 

 「苦しい時期を乗り越えたから今がある」と大野は言う。目標としていた東京五輪の出場がかなわず、空手を辞めることも考えた。それでも踏みとどまったのは「自分の形をやり切ったのか」との思いだった。代表落選後は自分の弱点や細かいところに目を向けようと師範と一緒に「自分の形」を見直した。「今まで勝負に捉われ過ぎ、自分の空手に目を向けることができなかった。自分と向き合うことで、自分の形を進化させていくことができた」。その結果が東京五輪後の全日本選手権で代表選手を破って優勝できたことにつながり、その後の好結果に結び付いた。

 30歳となった今年、競技者として円熟期を迎えた。大野は「自分が納得できる演武ができなくなったら辞めるとき。一番輝いているときに第一線を退きたい」と常々語っている。国体4連覇の期待は膨らむが、まずは12月の全日本選手権での優勝が当面の目標となる。

 

国体3連覇を達成した

 

 

(柚野真也)

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