
県高校総体 バレーボール男子 仲間との絆で栄冠をつかんだ大分南 【大分県】
バレー
6年連続同じカードとなった女子の全日本バレーボール高校選手権大会(春の高校バレー)県予選決勝。大分商業は日本一連覇を狙う東九州龍谷(東龍)に昨年と同じくストレート負けを喫した。ただ、昨年との違いは試合後に悔し涙があった。「0−3」のスコア上では片づけられない試合内容と手応えを感じたのだろう。昨年も決勝のコートに立った嵯峨暖菜(2年)は大泣きした選手の一人。「3セット目は相手の動きが見え、自分が何をすればいいか分かった。実際に思い通りに点が取れたのに勝てなかった。本当に悔しい」。勝てると思えたからこその涙だった。
追い込まれた第3セットでは、やるべきことが明確になった。コートの選手、ベンチの監督の思いが一致した。「フェイントを使い、サイドを意識できるようになった」と森栄一郎監督。セッターの三浦華(2年)がトスを高く上げ、嵯峨はスパイクを打ち込むだけでなく、ブロックアウトや相手ブロックの裏をかく軽打など巧みなプレーで得点を量産する。エースに触発された岩田凛実(1年)も力強いスパイクを打ち込む。それまでは速いバレーにとらわれすぎたのか、三浦とアタッカー陣との呼吸が合わない場面が続いたが、複数のアタッカーが攻撃の態勢に入る余裕が生まれてトスも改善した。
サイドを意識して攻撃がかみ合った
「困ったときのレフト」という攻撃を相手に読まれ、ブロックで失点する悪循環からようやく抜け出した。最大6点のリードを広げ、「思った通りのゲームメークができた」(森監督)。サーブで崩し、粘りの守備から切り返すなど、遅まきながら目指すスタイルの一端を出せたことは光明だろう。しかし、リードしてからの試合の進め方、勝負どころで精度が上がる東龍に対し、サーブやレシーブなど個人の技術不足があらわになった。「ある程度できることは分かったが、強いスパイクに対し体力、メンタルを含めた強さが必要」と森監督は心身両面での課題を挙げた。優勝を目指すなら、第3セットのプレーが「最低ライン」だろう。
嵯峨は「エースとして託されたトスは全部決めたい。それができないと東龍には勝てない」と話し、“残り1年間”で先輩たちが成し遂げられなかった打倒・東龍に向けて、早くも臨戦モードに入る。「あと1年でどれだけ成長できるかが重要。もう負けたくないし、春高に絶対に行く」と誓った。
悔しい準優勝となった大分商業
(柚野真也)
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