
サッカーU―17日本代表 代表の誇りを胸に、平野稜太が世界へ挑む 【大分県】
サッカー
第99回全国高校サッカー選手権大会県予選
決勝戦 11月15日 昭和電工ドーム大分
日本文理大学付属 4―2 大分
第99回全国高校サッカー選手権大会の県予選決勝は15日、昭和電工ドーム大分で行われ、日本文理大学付属(文理大付)が初優勝した。3連覇を目指す大分との試合は80分では決着がつかず、延長戦の末に4−2で制した。文理大付は今大会15点で得点王となった垣内太陽(3年)を軸に攻め、二度のリードに追いつき、延長後半に2点を決めた。
ドラマは延長戦に待っていた。2−2で迎えた後半8分。前日の居残り練習で何度もミドルシュートを打った東健翔(3年)。「必ずチャンスがくる。そのときのために試合のイメージをして打っていた」と保明栄治監督。クリアボールを拾った東は前を向くと迷わず右足を振り抜く。この逆転弾で一気に流れを呼び込んだ。1分後には得意とするセットプレーから追加点を奪い、熱線に終止符を打った。
文理大付の前評判は決して高くはなかったが、「それが良かった」と保明監督。優勝候補に挙げられ、3連覇の懸かる大分とは受けるプレッシャーの大きさが違った。保明監督は「ウチは負けても頑張ったと言ってもらえる立場だった。選手にはこの決勝の雰囲気を楽しんで、自分たちのやれることをやる。そうすれば結果はついてくる」とピッチに送り出した。試合序盤こそ緊張で硬さがあり、11分に先制点を奪われるのも想定内。「追われるより追う展開の方がウチらしい。粘り強く好機をうかがい、1点差であればチャンスはあると思っていた」(保明監督)。
決勝戦で2得点の東健翔
1対1や球際の競り合いで負けない、ボールを持てば垣内や1トップの三木誉歩斗(3年)にパスを入れ、サポートする。個々のストロングポイントから打開するのはこのチームの持ち味で、そのコンセプトはずっと変わっていない。保明監督は「戦術云々を言えるチームではない。まずは自分たちができることをやる。それだけ」とシンプルだ。
目指す方向性が明確だから選手に迷いはない。垣内はほとんどの空中戦で競り勝ち、三木はボールを持てばドリブルで仕掛け、佐潟堅士(3年)はパスを散らし、セットプレーでは精度の高いキックをゴール前に送り出す。この試合、2得点の東もシュートの意識が高く、“自分のできること”に徹した。キャプテンの垣内は「決勝の舞台でも自分たちのできることをやれた。みんな楽しんでプレーができた」と胸を張り、東は「練習でやってきたことが試合で出せた」と喜んだ。
初優勝に喜ぶ日本文理大学付属
(柚野真也)
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