国スポ 期待高まるチーム大分 今年も千点以上目指す 【大分県】
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ヴェルスパ大分 ノリノリのジョーカー・前田央樹が冗舌な理由とは
絶好調のストライカーは冗舌だ。ヴェルスパ大分の前田央樹は、今季のJFL得点ランキングで4位タイ、攻撃の切り札となる「ジョーカー」として途中出場が多いが7得点を叩き出している。前田は「先発でも途中出場でも点が取れれば、どっちでもいい。ゴールの形もなんでもいい。結果が全て」と言い切る。
チームには前線でどっしり構える中村真人というポスト型のストライカーがいるが、対戦相手やメンバーの組み合わせによって前田と同時に起用することもあれば、どちらか一方が先発で出場することもある。「マコさん(中村)とはタイプが違うので、どっちを使うかは監督の判断ではあるが、いつでも試合に出られる準備はしている」(前田)。
今季はジョーカーとしての役割を心得ている。前半は相手の守備の形やセンターバックのクセやウイークポイントを洗い出し、後半は給水タイム前にダッシュを繰り返し、一気に心拍数を高めて臨戦態勢に入る。前田は「出場時間は短いけど、得点のイメージがあるので集中できている」と好調の要因を明かす。
絶好調の前田央樹
ボールを前線で収める仕事も落ち着いてこなし、1トップの位置でスタートしても、中盤まで降りて試合を組み立てることもあれば、相手のセンターバックにプレスをかけにいく。チームプレーを怠ることはないが、頭の中は「どうやって(相手のマークを)剥がしてゴール前に入るかを考えている」(前田)。大分の最大の武器であるサイド突破からのクロスのフィニッシャーとして結果にこだわるのは、「僕は一人で得点できる選手ではない。ゴールの半分はアシストしてくれた選手のもの。得点しなければアシストもつかないので絶対に決めたい」と感謝を忘れない。
山橋貴史監督は前田のことを「ストライカーの典型」と評する。「常に得点を意識している。途中出場が多い中、結果を残しているのは能力が高いということ」。監督の評価を前田に告げると「うれしい。僕は褒められると伸びるタイプなんで」と上機嫌。直近のリーグ戦では2得点し、先週末の国体九州ブロック大会でも2試合で4得点と量産している。「点を取れば取るほどノってくる」と、調子のバロメーターである口数が多いのは好調な証拠。J3昇格に向けて、ノリノリのストライカーが勝利に導く。
「ゴールを量産して勝つ」と語る
(柚野真也)