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バサジィ・フットサル 新シーズンに向けて伊藤監督 三つの秘策

バサジィ・フットサル 新シーズンに向けて伊藤監督 三つの秘策

 3シーズンぶりにバサジィを指揮する伊藤雅範監督は、チームの現状を凝視し、謙虚な姿勢を貫く。だが、言葉の端々に勝利へのこだわりが、はっきりと感じられた。

 

①勝利へのこだわり

 

②「走力」はひとつの武器

 

③徹底したスカウティング

 

 新生バサジィが始動して1週間余り。充実した時間を送っている。徹底的に体を追い込みながら綿密にコミュニケーションを取ってチームの団結力を日ごとに高めている。しかし、そんなピッチの熱さとは裏腹に伊藤監督は決して強気な発言はしない。ひと泡吹かせてやろうという気概があるのでは?と聞けば「こっちが先に泡吹いちゃいますよ(笑)」とかわす。しかし3シーズンぶりにバサジィを指揮する伊藤監督の言葉からは自信を読み取ることができる。

 「うちは(最下位の)12番目のチーム。上に行くしかない。そのためにやるべきことを突き詰める」と語る。まず着手したのは、指揮官の哲学である「勝負へのこだわり」を植え付けること。「うちは挑戦者。厳しいシーズンになるが、強くて愛されるチームをつくりたい。勝利を追求するのは当然であり、ピッチで全力で戦う姿勢を見てもらいたい」と抱負を語る。一意専心の「意」を「戦」に変えた「一戦専心」という造語を掲げ、選手には「一戦一戦、目の前の試合に集中し、それが積み重なっているべき場所にたどり着く」と伝えた。それが今季の目標であり、チームは同じベクトルに向いている。

 

3シーズンぶりに指揮する伊藤監督

 

 その原動力として伊藤監督は「走力」を挙げる。「運動量、体の強さは当然必要なこと。強度のないフットサルをしていたら戦えない」と言う。週2、3回行う2部制の練習ではフィジカルトレーニングが続く。ただ、闇雲に走るのではなく、ランニングスピードのアップと質の向上を求める。少ないチャンスに一気に攻め込む。そんなダイナミックな攻撃を仕掛けられるかが、今季のバサジィが上昇するための生命線となる。

 その攻撃のためにも、いかに相手の攻撃を食い止めるかが重要になってくる。そこで重視されるのはスカウティング(相手チームの分析)である。前回、バサジィを指揮していたときも徹底して行ってきたが、伊藤監督は「Fリーグも特徴のあるチームや選手が増えてきた。その特徴をいかに抑えるかだ」と語る。個性があるほど対策は練りやすいと言う。一方で「うちのチームの良さを消さないようにしなければいけない。狙い通りにいくとは限らない」と話す。

 「小さい泡でも吹かせられるように頑張ります」。強気な発言はないかもしれないが、決して弱気ではない。何よりチーム全体から勝負へのこだわりを感じる。虎視眈々と牙を研ぐ伊藤バサジィ。何かしでかしてくれそうな雰囲気が漂っている。

 

今季は選手に強度を求める

 

(柚野真也)