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バサジィ 伊藤雅範監督インタビュー リーグ2位でフィニッシュ、ひたむきな努力が報われた

バサジィ 伊藤雅範監督インタビュー リーグ2位でフィニッシュ、ひたむきな努力が報われた

 大分の新監督として再び招へいされた伊藤雅範監督は、「常に優勝を狙えるチームにする」と宣言した。その言葉は嘘ではなかった。2年前は最下位だったチームに勝負強さを植え付け、今季は目標であったプレーオフに進出し、王者・名古屋をあと一歩まで追い詰めた。

 

Q:就任2年目のシーズンを振り返って。

優勝できず悔しいシーズンでしたが、よくここまできたという思いはあります。前回(2013〜2015年の2シーズン)、監督を引き受けたときはベースがあって、その上に自分の色を加えていきましたが、今回はもう一度ベースからつくり直さないといけないと思いました。どちらがやりやすいというわけではないですが、時間は必要だと考えていたので、結果が出て良かったです。

 

Q:2年前は最下位だったチームが躍進した理由は

クラブと現場の考えが同じで強化しやすかった。補強に関しては質の高い選手を獲得できました。運も少なからずありました。名古屋オーシャンズ以外のチームが転換期で監督が代わり、選手が大幅に入れ替わったこともあり、継続して強化している大分がスタートダッシュに成功できました。開幕戦で相性の悪い立川・府中アスレティックF Cに勝ち、2節はフウガドールすみだに自分たちらしい戦いで勝った。3節の名古屋には打ち勝ち、一気に勢いがついて6連勝できました。

 

Q:シーズンを通してこだわったことはありますか?

自分たちのスタイルを貫くこと。ハードワークをして前からプレスをかけ、常にベクトルをゴールに向けるプレーができたと思います。今季は引き分けを狙わず、勝ち点3にこだわった。勝つことで選手に不安がなくなり、個々の局面でも戦えるようになりました。名古屋相手でも互角に戦え、勝負できるレベルまで上がったと感じました。選手との接し方も、勝つことだけを考えていたので割り切っていました。情が入らないように距離を置きました。昨季は練習後にパス回しやバー当てなどしてコミュニケーションを図っていましたが、今季は練習後は監督室にこもりました。

 

今季は2位と躍進したバサジィ

 

Q:苦しかった時期はありましたか?

プレーオフ含めて最後の6試合です。6試合とも先制され、バランスを失いました。勝っていればいいところに目がいくのですが、この時期はない物ねだりになってしまった。失点したことより、先に点が取れなかったことを考えるようになり、バランスが崩れました。それでも個の力関係でねじ伏せることができましたが、プレーオフ準決勝のすみだには0−2で負けたし、力関係が上の名古屋が相手になると、先制されると試合展開が厳しくなります。決勝の1戦(2−2)はなんとか引き分けに持ち込みましたが、2戦目は体力的にも精神的にも限界でした。張り詰めていた糸が切れて1−7の大差になってしまった。ただ、試合の入り方は、ここ最近の試合では一番良かったし、勝負にタラレバは禁物ですが、先制点が取れていたら違う結果になっていたと考えたりします。

 

Q:今シーズンで想像を超えて成長した選手はいますか?

予想外はいないですが4人の選手に助けられました。昨季までのレイチはボールは収まるが怖さはなかった。シュートは大振りでワンパターンなプレーが多かったですが、日本のフットサルに慣れて、自分の武器であるポストプレーからのシュートが改善され、頼れる存在になりました。もう1人は芝野(創太)。自分のやりたいプレーとチームが求めるプレーの差があったと思いますが、フィニッシュに関わるプレーを優先するということは一致した。昨季足りなかったピースだったし、自己最多の22得点と結果を残してくれました。岩永(汰紀)、吉田(圭吾)の2人は、チャンスを成長につなげました。彼らのこれまでの努力によるものですが、出場時間を伸ばし、結果を残した。これからは人からの評価や日本代表などを目指してキャリアを伸ばしてほしいです。

 

Q:名古屋に勝つために、どんなフットサルを追い求めたいですか?

スタイルというのはそのときの選手や相手によって変わるものだと思っているので、勝つためのスタイルを貫きたいです。名古屋に勝つためには歴史が必要。常に優勝を争うチームになればチャンスがあると思います。クラブの資金力は言い訳にしたくないし、質の高い準備を繰り返し、戦力の差を埋めるための努力を続けるしかないと思います。

 

Q:3月には「第25回全日本フットサル選手権大会」があります。この位置づけと目標は?

Fリーグが始まる前からあった歴史のある大会です。選手は来季の契約が決まった状態でモチベーションの差はあると思いますが、バサジィ大分は常に優勝を狙うチームでなければいけない。このチームに在籍している限りは勝利を求めてもらう。厳しい言い方になりますが、それができなければ試合に出る必要はないし、チャンスはない。選手には勝つことしか求めていません。目標は優勝です。

 

勝つことを追求する伊藤雅範監督

 

 

(柚野真也)