バサジィ大分 つかんだ初勝利 走って守って決めた 【大分県】
フットサル
バサジィ・フットサル 常に100%の力を発揮する野口茅斗 トップチームでの活躍誓う
バサジィ大分の待望のサテライト(下部組織)の野口茅斗がトップチームでデビュー。5節ペスカドーラ町田戦で初出場し、13節エスポラーダ北海道ではホームでお披露目となった。ここまで3試合に出場し、プレータイムこそ短いがトップリーグで貴重な経験を積んでいる。野口は「手応えといえるほどのものはまだない。個人戦術、チーム戦術も多く、自分のプレーを出せていないが全てが勉強になっている」と収穫と課題を口にする。
大分西高校では同校初の全国高校サッカー選手権大会に左サイドバックとして出場した。当時から敏しょう性があり、果敢なオーバーラップで攻撃的なスタイルを貫いた。フットサルとの出合いは、高校3年次に県フットサル選抜U-18に選出されたことが大きい。「新しいことに挑戦したいと思った」(野口)。卒業後は日本文理大学に進学。サッカーからフットサルに転向し、バサジィ大分のセレクションを受けて、サテライトの一員となった。
今季はFリーグ特別指定選手として3試合に出場している
転向1年目は似て非なるフットサルとサッカーの競技の違いに戸惑った。「動き方が違うし、狭い局面での技術、個人戦術を覚えるのが大変だった」と振り返る。それでも目を輝かせ、ひたむきにボールを追う姿は野口の真骨頂。柔和な外見や穏やかな口調とは異なり、プレーはアグレッシブ。サテライトの吉武茂郎コーチは「常に100%の力を発揮する男」と表し、「粗削りだがサッカーで鍛えた基礎技術は高く、強烈なシュートと突破力もあり将来が楽しみな選手」と評価する。
トップチームでの試合は遠慮があるのか、持てる力を発揮できず精彩を欠くこともしばしば。野口自身、もどかしさを感じていたが、指導陣や先輩たちのアドバイスもあり、「技術より勢い。今の自分にはそれしかない。ためらうことなくガツガツとプレーしたい」と吹っ切れたようだ。トップチームの狩野新コーチは「ミスを恐れ、周りを気にしているようではダメ。高校では全国舞台を経験しているので、もっと自信を持ってプレーすればいい。スピードはトップ選手に負けないものを持っている」と若い力を歓迎している。
幸いトップチームは組織より個の力を重視している。攻守にわたってハードワークができる野口は一つのピースとしてはまりやすい。「このチームの雰囲気が好き。コンスタントに試合に出て活躍したい」。フットサルを心から楽しむ19歳の目に、もう曇りはない。
自分らしいプレーをすると語った野口茅斗
(柚野真也)