大分トリニータ ポジションレスなプレーで存在感を示す中川寛斗 【大分県】

2023/07/01
  • 大分トリニータ

 攻撃においても、現在4得点と結果を残している。中川は「開幕からスタメンで出場することはできなくて、もう一度自分を見直した中で『目に見える結果』が僕には必要だなと感じていた」と結果にこだわった。チームの勝利のためにプレーすることは大前提だが、ピッチに立たなければ存在価値を失う。それは18歳でプロになったときから感じていたことだ。155cmの身長はJクラブ60チームの中で最も低い。「僕のように小柄な選手でも一生懸命ボールを追いかけ、自分より体格の大きな選手に立ち向かう姿に、何かを感じてもらえたらうれしい。見る人の心に訴えかけ、誰かの心が動くような選手になりたいとずっと思っていた」

 

 技術の高さは言うまでもない。下平監督は「スペースを見つける感覚が鋭く、チャンスを嗅ぎ分けることに長けている」と評す。今季の得点はポジショニングセンスと戦術眼、卓越したシュート技術がなければ生まれなかったものだ。「自分ができることを追求した」結果にたどり着いたプレースタイルといえる。

 リーグ戦は後半戦に突入し、J1昇格に向けて気の抜けない試合が続く。けが人が続出するチームはメンバーを入れ替え、システムを変えながらやり繰りしているが、中川の役割は不変だ。ポジションレスなプレーで「僕がプロになった意味をきちんと体現したい。必要なのは泥臭いプレーや誰よりも走り戦うこと。それが結果につながっていく」と強い覚悟を持ってピッチに立つ。

 

ポジションに捉われることなくアグレッシブなプレーを追求する

 

 

(柚野真也)

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