トリニータ 初陣検証 開幕戦で見えた収穫と課題
2021/03/01
- 大分トリニータ
【課題】新機軸の最終ラインの連係
アドバンテージであった片野坂監督の6年間の積み上げが見えなかった。片野坂体制1年目から主力だった最終ラインの選手が抜けた穴は想像以上に大きく、新機軸の3バックがいまひとつ安定していない。
守備システムをアレンジしたこともあるが、前半の出来は散々だった。相手陣内でボールを奪うために最終ラインの枚数を減らして前線に人数を増やしたが、ボールを奪う位置が低かった。「前半はやりたい守備がハマらず全体的に重かった」(渡辺)。
さらに深刻なのが攻撃時の組み立てだ。片野坂監督は「ボールを持つ時間が増えれば押し込めるが、後ろからの配球がうまくいかなかった」と頭を抱えた。昨季までの、相手のプレッシャーをいなすパス回しが影を潜め、苦し紛れに蹴る長いパスが多かった印象だ。それでも同点弾の起点は、最終ラインの坂圭祐からのロングパスだった。長短のパスを織り交ぜ、試合をこなし組織力を高めていけば新しい大分の形が見えてくるのかもしれない。
3バックの中央を担う坂圭祐
(柚野真也)