
サッカーU―17日本代表 代表の誇りを胸に、平野稜太が世界へ挑む 【大分県】
サッカー
昨年の2月に大分トリニータのトレーニングキャンプに呼ばれ、仙台との練習試合でのパフォーマンスが評価されたDF羽田健人。試合直後に強化担当からプロ内定を打診され、その後は強化指定選手として公式戦に1試合出場した。今年1月にプロキャリアをスタートした大卒新人は、慌ただしかったあっという間の1年間から一転して、コロナ禍で自粛を強いられるなか、自分と向き合う時間を大切にしている。「大学の同級生は社会に出て仕事をしている。自分は何もできていない状況に不安はあるが、今後プロで活躍するために必要なことを考える時間に使いたい」と話す。
“ワンチャン”をものにした練習試合の仙台戦は、「“過去イチ”のプレーができた」と振り返る。相手のロングボールが多かったこともあり、ヘディングで外国人選手にも競り負けなかった。エアバトルを得意とする羽田の特徴を発揮しやすい戦況だったが、今は違う。「当時は相手のエースを抑え、攻撃をクリアするだけで良かったが、今はその後の攻撃の組み立てなど、やることが多い。これらを全てできた上で、ミスなく安定したプレーをしなければ通用しない」と冷静に分析する。参考にしているのはチームメートのMF小塚和季のプレー。ポジションは異なるが、常に数手先を考えたプレーは教科書となっている。「パスを受けてほしいところに必ずいる。一緒にプレーしていてやりやすいし、安心してパスを預けられる。あんなプレーをできるようにしたい」
今季の目標は1試合でも多く試合に出ること
もう一つ教材となっているのが、元日本代表の岩政大樹だ。この中断期間中に岩政自身の著書を読み、攻撃の組み立ての考え方、DFの深層心理、ピッチでの視点など、目からうろこの情報を吸収している。「部屋にいる時間は苦痛ではない」と新たな考え方を吸収する時間に費やしている。もちろん、トレーニングも欠かさない。「これまで筋トレが不十分だったので、今は特に下半身を強化している。体重を変えずに体脂肪を落として筋力をつける。サッカーができる状況ではないので、どれだけ効果があるのかはわからないが、練習が再開したときには成長した姿を見せたい」と気落ちすることなく、前向きだ。
昨年から目まぐるしく環境が変化し、今も想定できない現実と直面している。「不安だらけだが、受け止めるしかない」。これまでと同じように、「チャンスがきたときに力を発揮できる準備をするだけ」。リーグ再開後は過密日程が想定され、ルーキーの羽田にもワンチャンがある。それは羽田自身が一番心得ている。
自分と向き合う時間にしたいと語った羽田健人
(柚野真也)
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