
サッカーU―17日本代表 代表の誇りを胸に、平野稜太が世界へ挑む 【大分県】
サッカー
リーグ戦を前に始まったルヴァンカップで黒星スタートとなった大分トリニータ。課題が明確となった一戦は、チームにいい緊張感をもたらしている。ルヴァンカップ1節・湘南戦では、相手のシュート3本に対し、11本のシュートを放ちながら無得点に終わった。直接の敗因は、試合終了間際のG K高木駿のキャッチミスであるが、片野坂知宏監督は「ミスをしたのは駿だが、(チャンスがありながら)点を決められなかったこともある」と話すように、「得点力アップ」が今季の重点ポイントとなる。
昨季の得点源であった10得点のオナイウ阿道、シーズン途中に移籍した8点の藤本憲明の穴を埋めるべく、点取り屋の台頭が欠かせない。J1での経験があるFW知念慶、FW渡大生に加え、昨季J3群馬で17得点のFW高沢優也に期待するが、どれだけの成績を残せるかは未知数。片野坂監督も「前線の選手がどれだけフィニッシュの部分でゴールの枠に飛ばし、質にこだわっていけるかにかかっている。ずぬけた選手が出てきてほしい」と切望する。
ただ、最後の場面に到達するまでに質の高いパスが出なければ始まらない。片野坂監督はチームが始動してから一貫して、「攻守でやるべきことを明確にした。状況に応じてどう攻め、どう守るのかも優先順位を提示した」。昨季までは状況によってある程度の判断を選手に託したが、今季は「判断基準を明確にしたので、より共通理解ができるようになった」と話す。G Kからパスをつなぎ、攻撃を構築する形は今季も継続する。昨季の主力がほぼ残ったことで、「戦術の落とし込みは例年になく早い。ある程度、形はできている」との手応えはある。
得点力アップを今季のポイントに挙げる片野坂知宏監督
献身的に前線を動き回るMF町田也真人、ドリブルでアクセントをつけるMF野村直輝の新戦力の他、得点、アシストを狙えるFW三平和司、攻撃のアイデアが豊富なMF小塚和季ら多くのタレントがそろい、選択肢は多い。片野坂監督は「周りの選手との組み合わせや対戦相手によって考えたい」と最適解を導く作業は続きそうだが、得点数の向上はトップ下の固定と決定機創出数のいかんに懸かっている。
一方、守備に目を向けると昨季総失点を35に抑えた最終ラインの顔ぶれは変わらず、キャプテンのDF鈴木義宜を中心に安定感は増している。大崩れする心配がほぼないだけに、攻撃陣の奮起に期待したい。片野坂監督は就任以来、リーグ開幕戦で全て勝利を収めている。しかも、ここ3年間はアウェー勝利。「(開幕の対戦相手となるC大阪の)ロッティーナ監督とは3年間リーグ戦で対戦して1点も取ったことがない。今回も難しい試合になるんだろうな」とは、片野坂監督の苦笑いまじりの打ち明け話だが、対戦を楽しみにしている響きが混じる。昨季の開幕アウェイ鹿島戦のように、周囲の予想に反する勝利で好スタートを切りたい。その準備は着々と進んでいる。
カップ戦で先発出場したMF町田也真人
(柚野真也)
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