
県高校総体 バレーボール男子 仲間との絆で栄冠をつかんだ大分南 【大分県】
バレー
県高校総体に向けて選手たちは準備を怠らない。日程変更を強いられる中、組み合わせが決まったバレーボール男子のシード4校を紹介する。第1回は優勝候補筆頭の大分工業。
4月に行われた全九州総合選手権大会県予選(九総予選)では、1月の県高校新人大会に続き、大分工業が優勝した。バレーボール男子はベスト4の実力が拮抗(きっこう)しており、大分工業、別府鶴見丘、大分南、鶴崎工業の4校が優勝争いを繰り広げているが、成功体験を積み重ねた大分工業が一歩リードした印象だ。
大分工業は選手主体で九総予選に臨んだ。「選手たちには、自分たちで仕上げて決勝まで上がるという大きな課題を与えていた。試合内容も選手に考えさせた」と江崎裕之監督。決勝では別府鶴見丘にリードを許す場面もあったが、「この選手たちならきっと逆転できるだろう」と焦りは一切感じなかったという。
絶大な信頼を置く理由は選手たちの人柄にある。現在のメンバーには、陰日なたなく練習に取り組む真面目さ、負けん気の強さ、自分に足りないところを認める素直さ、そして何より江崎監督が指導人生で一番と断言する落ち着きがある。その全てが良い方向に作用し、チームに勢いをもたらしている。
仕上がり順調の大分工業
試合後の選手のコメントもその人柄を感じさせるものだった。キャプテンの芦谷透(3年)は「苦しい場面もあったが、自分たちの力を出し切って勝つという目標を達成できた。ステップアップできるよう、常に新しいことに挑戦していきたい」、エースの貫禄が出てきた甲斐優作(同)は「ブロックは練習してきた成果がでた。速攻を入れつつ、サイドで点を取っていけるよう頑張りたい」、ムードメーカーでもある草野好貴(同)は「練習は数をこなすだけでなく、どれだけ集中してやれるかが重要。もっと上を目指したい」と、それぞれ勝利に慢心することなく、次への目標を語った。
今年の大分工業は例年にも増して選手層が厚い。紅白戦やレギュラー争いを通して、1年生は上級生に習い、上級生は下級生に負けまいと奮起する。チーム内ではいい化学反応が起きている。
県高校総体の目標はもちろん優勝。しかし、大分工業は同大会で10年以上優勝から遠のいている。江崎監督は、「10年勝ってないので選手たちは重く感じるところもあると思う。そういう負担をできるだけ取り除いて、選手たちのいいところを出してあげられるような練習を積んでいきたい」と気負わず大会に臨むつもりだ。
選手と監督が一体となり雰囲気も上々
(甲斐理恵)
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