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大分豊府高校フェンシング部 自主性を重んじ、成功体験につなげる

大分豊府高校フェンシング部 自主性を重んじ、成功体験につなげる

 県高校新人大会の団体戦でエペ、フルーレ、サーブルの3種目制覇を達成した大分豊府高校フェンシング部男子は、選手一人一人の自主性を重んじた練習を徹底している。中高一貫校のため、中学生にとっては高校生の高いレベルを間近で感じられ、高校生にとっては先輩としての自覚を持ちながらチーム力と個々の力を鍛えられる恵まれた環境にある。

 

 「フェンシングはプロのないスポーツ。その分、フェンシングを通して、人としての幅を広げてほしい」と、中村修監督は話す。個々で目標を立て、その目標に向かってどう努力するかを考えさせるという。これはフェンシングの技術向上はもちろんだが、学校が掲げる“文武両立”にも通じる。勉強もスポーツも、どちらもトップクラスを狙ってほしいという思いから、監督が課題を与えるのではなく、自分たちで考え、工夫し、努力することで、良い結果を出せば、自信につながる。この好循環で、全員が着実に力をつけている。 「私は生徒が掲げた目標を叶えるための指導をするだけ。自分たちの部活は自分たちでつくるという意識を持って欲しい」(中村監督)

 

それぞれが目標を立て努力する

 

 練習は平日が授業後の2時間、休日も3時間程度に絞ることで、効率的で質の高い練習を集中的に行っている。技術面でチームを引っ張るのは、ジュニア時代から活躍し、2017年のアジアジュニア・カデ選手権でも優勝した中村太郎(2年)。本人も「経験が一番多いのは自分だから、技術面でみんなに教えてあげられることが多いのは当たり前。伝えられることは全部伝えて、チームを引っ張っていく」と責任感は人一倍だ。「高校からフェンシングを始めた選手も多い中で好成績を収める豊府高校フェンシング部男子の活躍には、彼の力が不可欠だ」と中村監督も話す。

 

 メンタル面ではキャプテンの御手洗拓真(2年)を筆頭に、学年や経験に関係なく、お互いが声を掛け合う姿が印象的だ。“自分たちで考え、工夫し努力する”という監督の教えが伝わり、選手たちのフェンシングに対する情熱やチームワークも日々高まっている。

 

新人戦の団体戦で3種目制覇を達成した

 

(黒木ゆか)