
珠玉の一枚 Vol.41 【大分県】
その他
クラブチームや大学、高校、ユースからジュニアに至るまで様々なクラブ、部活にオー!エス!編集部がお邪魔する「クラブ・部活訪問」。3回目の今回は県内空手界をリードする大分南高校空手部。大野ひかるなど、日本のトップで活躍する選手を送り出し、来年春の全国選抜大会には個人、団体で出場する。その強さと原動力を探る。
オリンピックの追加競技となった空手。先日行われた全日本空手道選手権では大分市出身の大野ひかる(大分市消防局)が個人形で準優勝した。その大野の出身高校が大分南であり、インターハイには団体組手で10年連続10度出場し、個人の形、組手でも毎年多くの選手を全国大会へ送り出している。今や大分県の女子空手をリードする存在といっても過言ではない。11月に行われた全九州高校新人空手道大会では南ブロック(大分、宮崎、鹿児島、沖縄)で個人形の斎藤瑶葵が優勝。団体組手では3位に入り、全国選抜大会の出場権を得た。
その輝かしい成績を支えるものは何か。髙橋誠監督は開口一番、こう言い切る。
「結果を求めるのはもちろんだが、目標に向かってそれに見合うだけの努力をする人間を育てていきたい。楽しく、厳しく。周りの方に応援してもらえるチームを目指している」
すべての生徒が経験者ではない。高校入学を機に空手をはじめる生徒も少なくない。「黒帯を目指す」「試合に出る」といった目標をそれぞれ考えさせ、丁寧に導く。空手の魅力は「攻防一体の素早い動き」であるが、競技だけでなく年代に合わせて楽しめる武道である。髙橋監督は「第一線を退いても大会運営に関わるなど、自分自身の向上を目的に続けてほしい」と生涯スポーツとして楽しむことを伝えている。
それぞれの目標に向かって鍛錬する
通常練習は17時から始まる。技の正確さとスピードを競う形。一対一で対峙する組手。どちらの競技にも必要な基礎体力、スピードをコントロールできる筋力を対人練習で養う。3月までは基礎体力向上に重きを置き、足腰の鍛錬に力を入れ、突き、蹴りの質を高める。キャプテンの安達志保は「全国で通用する空手を身に付けたい。九州大会ではビビってしまったので、気持ちで負けない練習をしたい」と強いまなざしで全国での活躍を誓う。
全国選抜大会では「まずは初戦突破」を目指し、夏のインターハイにつなげる収穫と課題を手にしたい。
楽しく、厳しく―。校舎の最上階にある道場から気合に満ちた声が響く。目標を達成するための妥協なきトレーニング。「どれだけ努力したか。結果だけでなくプロセスも大事。いろんな意味で自信を持ってもらいたい。自信の裏づけになるものは何かといったら、やはり努力。ここまでやり遂げたということが試合や社会に出たときに役立つ」。空手を志す者、ひとりの人間として髙橋監督は自立心を求める。
3月の全国選抜大会に向けて気合十分
(柚野真也)
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