カヌー王国に育て上げた名伯楽のレガシー「大分市高等学校カヌー部」

2019/08/30
  • クラブ・部活訪問

 指導者は足立監督の他に2人。メガホン片手に自転車に乗り、練習場所の大分川を往復しながら艇(てい)を追い指示を出す。ここにいる選手は高校からカヌーを始めた者ばかり。パドルの持ち方からこぎ方まで丁寧に教え、一人前の選手になるまで手塩にかけて育てる。毎年のように全国大会での上位入賞者を輩出しているが、いろんなことを捨ててまで勝利を追求するのかといえば、そんなことはない。選手たちが大会で勝ちたいと思うのは当たり前。指導者は勝つことから逆算して何が必要なのかというアプローチをする。「選手は一人一人特徴が違い、得意なものも違う。最終的には選手のストロングポイントを引き出したいと思っている」と足立監督。

 

 一人一人の個性を引き出す指導が貫かれている。足立監督自身、堀田さんに同じように指導を受け、能力を開花させた選手の一人だ。堀田さんの指導を受けてカヌーを始め、選手として活躍し、そしてまた指導者として大分に戻って来る。このサイクルが3度続けば「カヌー王国として定着できる」と堀田さんはかつて語っていた。いうなれば足立監督は第2世代で、教え子が第3世代となる。「結果を残すことで次につながる」。脈々と受け継がれた勝者のメンタリティーは今も変わらない。大分市高等学校カヌー部の選手はのびのびと成長を重ね、強くなっている。

 

カヌー王国を担う逸材たち

 

(柚野真也)

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