全国高校総体出場校・選手紹介 ハンドボール男子 「得点だけでなく勝利を届ける」小野蒼羽(大分雄城台3年) 【大分県】

2023/06/27
  • 高校総体

 中学でも成長を止めることなく、2年の時には県代表としてJOCジュニアオリンピックカップに出場するなど全国の舞台を経験した。卒業時には今とほぼ変わらぬ体型となり、ハンドボールだけでなく柔道やバスケットボール、ラグビーなどの関係者から高校入学の誘いが掛かるが、小野は「平井(徳尚)監督の指導を受けたい」と大分雄城台に入学した。中学とは比べ物にならない練習の量と質に驚くも、「得点を取ることだけでなく、守備のハードワークやチームとして自分に何ができるかを学んだ」という。

 

 飛躍的な成長を遂げ、高校年代では誰にも当たり負けしない屈強のフィジカルを手にした。ただ、2年生で主力選手となってから、チームとしては結果が出ない苦しい時期もあった。「勝てないことで弱気になっていた」と本来のパワフルなプレーは影を潜めた。最終学年となり、「チームの大黒柱はお前だろ」と平井監督の叱咤(しった)を受けて、試合の流れが悪いときこそ自分が泥くさいプレーをして、誰よりも汗かき役になろうと決めた。試合中にほえるのは自分を奮い立たせ、チームを鼓舞するスイッチだ。まだまだ荒削りで、調子の波があり、メールマンと呼ぶには足りないが、「チームの勝利のために」との思いは誰よりも強い。平井監督は「ようやく土台が築けた段階だが、これから多くのことを経験し、日本を代表する選手になってほしい。そのポテンシャルはある」と太鼓判を押す。小野は、全国高校総体で「チームに勝利を届ける」と活躍を誓った。

 

「チームの勝利こそが大黒柱の仕事」と語る

 

 

(柚野真也)

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