県高校総体 バレーボール女子 東龍が苦しみながらつかんだ22回目の優勝
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バレーボール女子
決勝リーグ 6月6日 サイクルショップコダマ大洲アリーナ
東九州龍谷2-1国東
(27-29、25-20、25-17)
勝つことを義務づけられた女王・東九州龍谷(東龍)が22連覇を達成した。しかし、試合は磐石とは言い難い、苦しい内容となった。
東龍と国東。2勝同士で対峙した「勝てば優勝」という決勝リーグ最終戦は、1セット目序盤から会場は異様な空気に包まれた。東龍の代名詞である超高速バレーはなりを潜め、攻撃が決まらない。レシーブすれば、ボールは弾かれてコート外へ。相手の巧みなフェイントにも苦しめられた。気がつけば1点を取り合う大接戦。20点を超えてもそれは変わらず、デュースにもつれ込んだ末に27-29で東龍がセットを落とす。
続く2セット目も手こずった。20点を超えてようやく突き放したものの、終盤までストレート負けの危険さえあった。3セット目は集中力の切れた国東に対し、ようやく女王らしいプレーも見せたが、全体を通して課題の多い戦いとなった。
キャプテンの飯山エミリ(3年)は「優勝できて安心した。今日はみんなに助けられた。それしかない。もっと自分が成長して、頼りにされるキャプテンになりたい」と言葉は少なかった。「成長」「頼りにされるキャプテンに」。それは今後の自分への戒めに他ならない。
苦しい戦いの中でも勝負どころで得点を決めた加藤明(同)、ポイントゲッターとなった岡部詩音(2年)、セッターで副キャプテンの佐村美怜(3年)は「挑戦者になっていなかった。自信が余裕を生んでしまった」と自身の慢心を口にした。
とはいえ相原昇監督にとっては想定内だ。「高校生の場合、優勝候補が負けるというのは珍しくない。強い方が受け身になってビクビク怖がる。それに飲み込まれないようにすることが重要。今回は九州大会で優勝して自ら手綱を離した。慢心も原因。いい勉強になった」と冷静に振り返った。
さまざまなプレッシャーを背負い、日本一を目指す東龍。全国制覇の経験がないメンバーだからこそ、一つの大会、一つの試合から多くを学び、精神的にも真の女王へと成長しようとしている。
勝負強さを見せた加藤明