ヴェルスパ大分 県代表の座を懸けた熱戦、PKで決着 【大分県】

2025/05/17
  • ヴェルスパ大分

 中村元監督は「惜しいで終わらせたくなかった」と語り、選手にはPK戦前に(キッカーを)立候補するようにを促したという。「最初は誰も手を挙げなかった」と明かす場面もあったが、蓄積してきた練習の成果が勝負の場で発揮された。

 

 この試合を通じて中村監督が強調したのは、「勝ち切る力」と「最後までやり切る姿勢」だった。ロングボールを使った戦術も、前線の強みを生かす明確な狙いのもとで実行され、攻撃のバリエーションとして機能した。また、今大会は若手を含む多くの選手に出場機会を与え、チームとしての選手層の厚みを感じさせる内容だった。

 

 PK戦を含むこの接戦の経験は、リーグ戦においても貴重な糧となるはずだ。競った試合を制するための精神力と集中力、そしてプレッシャーの中で発揮される個の力。それらがそろったとき、チームは「勝てる集団」として完成する。

 

 天皇杯では「J1クラブと戦える舞台まで進みたい」と中村監督は意気込む。姫野も「(2回戦の対戦相手となる)アビスパ福岡とやってみたい」と目標を掲げる。かつてベスト16まで進んだ実績を持つヴェルスパにとって、全国のサッカーファンにクラブをアピールする場でもある。「知名度を上げて、リーグ戦の集客につなげたい」(中村監督)とクラブが一体となって勝ち上がる思いは強い。

 

勝利し抱擁、中村元監督と姫野昂志


 

(七蔵司)

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