ヴァイセアドラー 小川貴史監督インタビュー 必死で食らいついたシーズン

2020/02/29
  • 大分三好ヴァイセアドラー

Q:苦しいシーズンでしたが、その中で収穫があったとしたら?

 一つは、個人の能力が必要なのは明確になりました。組織力を高めることと同列で考えないといけません。日本代表選手がそろうトップリーグにおいて、ブロックとスパイクの1対1やサーブレシーブの精度など、小さな技術の集まりが勝ち星につながります。個人のレベルアップはすぐに結果は出ませんが、補強やチームを編成するうえで今後重視しなければいけないポイントです。もう一つは、真ん中の攻撃、クイックの重要性です。リーグ後半戦は徐々に機能してきましたが、もっとこのポジションが活性化できるようにしたいと思っています。選手にはシーズンが終わってから、データを元に、足りない部分やチームとしてやってほしいプレーを明確に伝えています。チームとしてのブロックシステムの精度を高くし、個々の能力も積み上げていきたいです。

 

Q:監督から見て、今季大きな成長を遂げた選手はいますか?

 (アジア枠で今季から加入した)バグナス・ブライアン。フィリピンリーグではサーブレシーブに積極的に参加していませんでしたが、日本に来て質の高いサーブを受けることで意識が変わったと思います。攻撃においては、スパイクは粗削りですが能力は高い。日本人選手の技術を見本に、3枚ブロックにつかれてもワンタッチ狙うとか、頭を使ったプレーができるようになりました。今後が楽しみな選手のひとりです。日本人選手であればキャプテンの米田亘希。序盤は出場機会が少なかったですが、気持ちを切らさずに準備をしてくれていました。残留のかかった終盤の試合では結果を出し、流れをつくってチームの勝利に貢献してくれました。ベテランの域に達するようになりましたが、彼のような選手がチームを支えてくれるようになれば、チームは強くなると思っています。

 

Q:今後は天皇杯・皇后杯全日本選手権大会、黒鷲旗全日本男女選抜大会と続きますが、来季に向けての展望は?

 今季は思うような結果を残せなかった。どのチームもレベルアップしていて、引き離されないように必死で食らいついて行ったという印象です。我々の成長速度を上げなければ引き離されるばかりになる。選手もスタッフも改革が必要。これまで以上に求めるところは厳しく追求したいし、チーム内の競争を高いレベルでできるような環境をつくらなければいけない。今は残留争いが目標だが、中位を目指せるように地盤を固めたいです。攻撃はどのチームに対しても通用するので、安定感のある守備力をつけて、大会を通じて成功体験を積み重ねれば自信につながる。今後は能力の高い内定選手が加わるので、チーム力を上げていきたいです。

 

チームを支えた米田亘希(24番)とブライアン(1番)

 

 

(柚野真也)

  • LINEで送る

関連記事

ページトップへ