大分トリニータ チームを勝たせるゴールを追求する長沢駿

2022/03/05
  • 大分トリニータ

 4−3−3のシステムを採用する下平隆宏監督のサッカーにおいて、長沢のポジションは最前列の真ん中。前線で体を張り、チームの素早い押し上げを助けるポストプレーは、いわば攻撃の生命線。ラストパスを待つのではなく、攻撃の組み立てに絡みつつ、サイドからのクロスに走り込んで頭で合わせるなど、組織的に機能できる基準点型のセンターフォワードが理想だ。また、今季からセットプレー対策が綿密になったことで、192cmの高さは絶対的な武器となる。

 

 G大阪戦では、監督の意図を理解し、自分の特徴を発揮した。チームの連係不足もあり、基準点になったとはいえないが、セットプレーでは結果を出した。先制点の場面では相手の動き、味方のポジショニングを把握し、「マークを外せると思った」。バックステップで相手の視界からうまく消えてフリーになり、ヘディングで押し込んだ。「キックの質が高く、合わせるだけだった」とアシストした中川をたたえたが、動き出しと動き直しの質の高さが際立った。

 

 PKの場面でも自らキッカーを志願。昨季の天皇杯準決勝でPK戦を外した「モヤモヤした気持ちを振り払いたかった」と、自らの足で吹っ切った。それでも試合後の表情は晴れない。「勝てる試合だった。まだまだ甘い。リーグ戦で得点を取り続けなければ、昨年の借りは返せない」。得点を求め続ける試合は続く。

 

今季も結果にこだわり続ける

 

 

(柚野真也)

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