トリニータ 明確な目標値を示し、新シーズンスタート

2021/01/21
  • 大分トリニータ

 就任6年目の「片野坂体制」に一切のブレがない。開幕まで6週間の準備期間を確保したのは、過去5年で培った経験であり、数値を示したことはリアリティーを強調し、明確な戦術を落とし込むために必要なことであった。オフには、片野坂監督が就任した1年目から主力として戦い、成長した選手が移籍する“想定外”があったが、「抜けた穴はクラブと話し合い、自分がリクエストした選手はほぼ取れた」と指揮官もフロントも落ち着いたものである。「どんなサッカーをするのかを明確にし、ゲームモデルが浸透すれば戦力は(昨季より)上げることができる」と強調した。

 

 ミーティングで片野坂監督は選手にこう語り掛けたという。「いよいよシーズンが始まる。新戦力を含め29人で一致団結して戦っていこう。ピッチで躍動し、アグレッシブに戦う姿勢を見せてほしい」。この言葉で一気に選手を引き込み、やる気にさせた。

 その訓示を聞く選手の表情にも変化があった。今季からキャプテンとなる高木駿が「(在籍年数の長い選手が抜けたが)これまでのいいところは継承して、勢いのある、力強さのあるチームにしたい」と抱負を述べれば、チーム在籍8年目の伊佐耕平は「まだみんな遠慮している。コミュニケーションが取りやすい雰囲気をつくりたい。これまで以上にファンやサポーターの思いを背負ってプレーしたい」と力強い言葉を発した。

 

 選手の表情や周囲との関係性、新加入の選手に対しては映像で見たイメージと実際の動きを照らし合わせ、細部に至る部分まで考察する片野坂監督の頭の中には2021年版のチームが練り上げられている。当然ポジション争いは激化するが、チーム力アップに欠かせないことであり、競争が選手たちのモチベーションにつながっている。実戦トレーニングが増えるにつれて、チームの形が見えてくるだろう。周到な補強戦略で陣容を整えた大分の新たな戦いが始まる。

 

選手のコンディションをチェックする片野坂知宏監督

 

 

(柚野真也)

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