トリニータ 過密日程を想定し、焦らず戦術を浸透

2020/03/21
  • 大分トリニータ

 そう考えると、この中断期間は決してネガティブなものではない。この間にチームの完成度を高めるために対外試合を組むなど、実戦を通した戦術の落とし込みに余念はない。比較的人の少ないサイドを攻め、つなぐときは何本でもパスを回してボール支配を高めるやり方は変わらないが、今年はペナルティーエリア内で力を発揮するFW知念慶やFW渡大生ら個の能力に秀でた選手が加わり、組織と個を生かした柔軟な戦い方を目指している。決定力不足は改善できていないが、西山G Mは「決定機の数、シュートの数を増やして確率を上げるしかない」と、より精度を高めることをテーマに掲げ、ゴール前の攻防に練習に時間を割いているようだ。

 

 リーグ再開後の2カ月は、延期された試合が平日に組み込まれることが予想され、過密スケジュールをいかに乗り越えるかがポイントとなる。片野坂監督は「競争なくして成長はない」との思いは強く、各ポジション2人以上で競わせるように陣容を整えている。決して選手層は厚くはないが競争が生まれる仕組みはあり、実りある中断期間を過ごしていると言えるだろう。調整の進捗は不透明ながら、開幕前と比べけが人も復帰し、ベストに近い状態で準備ができているのは間違いなさそうだ。

 

4月3日まで非公開は続く

 

 

(柚野真也)

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