監督の哲学 選手の自主性を重んじ向き合う智将 帝京大学女子柔道部・穴井さやか監督 【大分県】

2023/02/26
  • 原色部活生図鑑

 大分県出身の穴井さやかが母校の帝京大学の女子柔道部の監督となって2年が経過しようとしている。2023年度は「個人も団体も日本一」を目指す年になる。勝つためには選手間で相乗効果が生まれる組織をつくり、成果を出すことを求めている。

 

 選手が自主的に考え、動き、それを畳の上で表現する。穴井監督は「大学で柔道をするような学生はある程度の素質がある。高校までに教わったことが点とすれば、大学はその点を結ぶ作業。多くの選手が、なぜこの技術が必要で、どう使うのかわかっていない。原理原則を理解し、勝つために点と点をどう組み合わせたらいいのか、そこに気づかせるのが私の役回り」と話す。

 

 答えを与え過ぎては、選手の自主性を妨げかねない。ただ、「選手によっては具体的に何かを指示した方が伸びる、あるいはそれを望んでいる場合もある」。そのタイミングと伝え方は意識しているようだ。「とにかく選手一人一人と向き合いたい」

 選手に改善してほしいことがあれば、明確な理由を三つ以上言えるようにしてから伝える。「イエスかノーの世界で育ってきた学生が多いので、一方的に伝えるのではなく、『あなたはどう思うか』という余地を残している。真剣な話をするときは1対1で向き合う。前提にあなたが嫌いなのではない、怒ってないことを伝え、理由を説明する。自分の頭で整理して話し、その場の勢いでは言わない」

 

選手には自主性を求める

 

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