野々村芳和チェアマンインタビュー Jリーグのこれまでとサッカークラブの未来への提言 【大分県】
2023/05/04
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――大分県にはJ2の大分トリニータの他にJFLのヴェルスパ大分、九州リーグのジェイリースFCがあります。地方都市において共存は可能なのでしょうか?
いくつものチャンネルがあることは、見る側も楽しいでしょうし、サッカーを続けたい子どもたちにも選択肢が増えます。情熱を持って、「いい作品」をつくり続ける限り、その作品を見たいと思う仲間が新たに加わります。
作品とはピッチ上のレベルの大会や試合も大事ですが、スタジアムやその周辺に行くと何だか楽しいよねと思える環境があるかどうか。そこに集まる人の声を含めた熱量。この三つがそろえば、「いい作品」となります。それが4万人収容のスタジアムであっても5千人収容のスタジアムであってもいい。お客さんの熱量がスタジアムに響けば人数なんて関係ない。それぞれのクラブが立ち位置に合った作品をつくればいいと思っています。
究極を言えば、チームが強いか弱いかは別にして、週末になると面白い作品を披露できるクラブとスタジアムがあればいい。地域の関わりや取り組みでつくり上げる一体感があればいいのです。それにプラスして、「小さい頃から知っている選手がいるから見に行きたい」「昇格するかもしれないから行こう」なんて動機でもいい。行けば楽しいことがあるという空間をつくることができれば成功です。大分のどのクラブにも、その環境をつくることができると思っています。
「大分には『作品』をつくる環境がある」と語る野々村芳和氏
(柚野真也)