3年生、夏物語 vol.12 カヌー女子 ケンカするほど仲良しの川井花菜&森桜子の大分舞鶴ペアが日本一
2021/09/17
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どこでスイッチが入ったか、今となっては分からないようだが、次第に2人でタイムを競うようになり「練習すればするほどタイムが良くなった」という川井。これまで経験したことのない、記録が伸びる快楽を味わい、カヌーの楽しさを知る。そこから日本一に向けての本格的な挑戦が始まった。「何でも言い合える仲」(森)であるからこそ衝突もするが、それは互いに要求することが高いからこそ。艇の上でケンカすることもあったが、森は「お互いがアドバイスを聞けるようになった。心が広くなった」と笑う。
足立監督の熱心な指導と「これまでやってきた競技と比にならない練習量」(川井)でタイムを伸ばし続けた。持久力タイプの森が前席で、瞬発力がありスタートダッシュを得意とする川井を後席にするのが「無難でスタンダードだった」(足立監督)が、最後の大会を前に前後の組み合わせを変えたことで「2人の能力がかみ合った」(同)。パドルの回転速度が増し、正確なリズムを刻み、矢のように水面を突き進む。最後の大会となった全国高校総体では、パンチの効いた爆発力で冒頭の好結果を出し、2人の最終章に花を添えた。森は「あっという間の3年間だった。悔いはない」と振り返り、遠回りはしたが川井は「“大好き”なカヌーを続け、世界で活躍できる選手になりたい」と目標を掲げた。
「充実した3年間を過ごせた」と振り返る2人
(柚野真也)