コロナ禍の高校3年生たち③ 女子サッカー 加藤明星(柳ケ浦) “大分の女子サッカー”を盛り上げたい
2020/11/28
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秋以降、思い入れの強い「背番号10」を奪い返し、ピッチに立つ。1年生の頃から背負った番号だ。「柳ケ浦の背番号10は特別。注目されるし、チームが苦しいときに状況を打開できるプレーをしたい。史上最高のプレーをしたい」とエースとしての自覚はこれまで以上だ。トリニータレディースから柳ケ浦高校に入学。多くの先輩や同級生が県外に活躍の場を求めたが、「地元大分で女子サッカーを続ける道を切り開く。大分から全国で活躍できることを証明したい」と3年間、必死でボールを蹴り続けた。今もその思いは変わらない。「大分の女子サッカーを盛り上げたい」と顔を上気させた。
得点を奪うことに特化した1年時、パスを覚え、周囲を生かせるようになった2年時。今は得点も奪え、決定機も演出する「替えのきかない絶対的な選手になった」(林和志監督)。勝利への意欲を常に語る加藤にピッチで思い描くサッカーを聞くと、彼女は明瞭な声でこう答えた。「チームを勝利に導くのは得点。サッカーは点を決めなければ勝てない。自分のゴールやアシストで勝利をつかみたい。全国で柳ケ浦の名前を残したい」。疑うことなく好きなものに打ち込む加藤の瞳は澄んでいる。サッカーに対する純真さが、勝利を目指す戦いへと彼女を駆り立てる。
「勝利に導く得点を決める」と力強く宣言した
(柚野真也)