コロナ禍の高校3年生たち②  駅伝 平松彩華(大分西) 責務を果たし、後輩にタスキをつなぐ

2020/11/20
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 今年の春先からの8カ月間、多くの大会が中止となり、不安を抱えながらの練習だった。最後の舞台として今大会に照準を合わせて調整してきた。宮川剛監督は「これまでの2年間はずっと2位で悔しい思いをしてきた。だからこそ最後は、との思いは誰よりも強かったが、この状況下で気持ちが何度も切れかけ、今大会まで持つかなと思った」と励ましながら見守った。頑張り屋の平松がゴールする瞬間を見たときは胸が熱くなった。「平松がいないとチーム全体に不安が募るほど、存在感があった。ゴールに飛び込んでくれた時はうれしかった。今までチームを引っ張ってきてくれてありがとうと言いたい」

 

 平松を慕う奥西つばさ(2年)も同じ思いだった。「出走メンバー争いが激しいときも、優しくチームをまとめてくれた。今日も走る前に一緒にタスキをつなごうと言ってくれた」。ゴールした平松に「3年間お疲れさまでした」と伝えた。

 ゴール後に呼吸を整え、3年間を振り返った平松に、後輩への思いを聞くと彼女は小さく微笑んだ。「1、2年生はみんな速い。互いに鍛え合って来年こそ(6連覇した)大分東明より先にゴールしてほしい。それは分かっていると思う」。県内で過去最多の優勝を誇る大分西のタスキを後輩につないだ。

 

最後はゴールで待つ後輩に迎えられた

 

 

(柚野真也)

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