ヒーローズ#3 津久見高校野球部

2020/05/17
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 新型コロナウイルスの感染拡大で春から全国各地の高校大会で中止が相次いだ。選抜高校野球大会も中止となり、今夏の全国高校総合体育大会(インターハイ)の中止も決まった。3年生は一度も試合を行う機会のないまま部活動を引退する可能性がある。ヒーローとなるはずだった3年生は“今”どんな思いを胸に抱いているのか。

 

津久見高校野球部

 

 分散登校が続くが部員たちに笑顔が戻った。キャプテンの薬師寺琳久(3年)は「自主トレをして体は動かしていたけど、みんなと練習するのは楽しい。野球ができるのがうれしい」と素直な思いを語った。部活動が休止の間は部員全員のグループラインで練習メニューを共有し、再開に向けて体も心も整えた。「この期間を個人能力を上げるチャンスと捉えて走り込み、体幹を鍛えた」とエースの安部誠也(3年)。下半身が安定し、投げ込むボールにキレが増した。

 

 前任監督が異動となり、4月から、外部コーチをしていたOBの津久見市職員藤丸崇氏が監督に就任した。同月初旬に部員とミーティングをして、選手が「甲子園出場」を目標に決めた。藤丸監督は現時点で考えられるすべての課題を挙げるように指示し、目標への筋道を立てた。その一つが限られた時間を有効に使うこと。「練習と練習の合間の行動を意識させ、量より質の練習をしたい」と時短に取り組む。

 

 古豪復活が期待されるが、全学年そろった練習はできていない。新型コロナウイルス感染拡大の影響で今夏の全国高校野球選手権大会の有無は20日に正式に決定する。岡部優四朗(3年)は「自分たちにできることは大会に備えて準備すること。今できる目の前の練習を全力でするしかない」と、揺れる思いを振り切るために目の前の白球を追った。

 

練習再開を待ちわびた3年生たち

 

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