データをベースに準備着々 世界で戦う穴見知典(ウインドサーフィン)
2020/05/07
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穴見にとって失敗も大きな財産だった。勝てなかった時期の苦い経験も加味した膨大な「データベース」から最適解を探り、レースに落とし込んだ。全く同じ波、風はあり得ないが、パターン化することで対応が楽になった。穴見は「データがありがたいのは、迷いのもとを減らしてくれること」と言う。どんなにしっかりしたデータも、信じ切れなければ宝の持ち腐れだ。穴見の繊細で大胆な滑りは、データを疑わず、「失敗しても、それはそれ」と腹をくくればこそ。割り切りも大事になる。
大会が中断しているこの時期は、感覚とデータのすり合わせに余念がない。穴見は「セイルには何十カ所もネジがあり、その一つ一つの回転を緩める、絞るで滑りが違う。トッププロになれば技術の差は出にくい。全パーツがハマった選手が勝つ。運のようなものだが、僕はその運をつかむ確率を上げたい」と話す。4年後のパリ・オリンピックに照準を合わせネジを巻いている。想定通りに時が進めば、穴見が表彰台に上がる“確率”は高い。
パリ・オリンピックに向けてアップデートする日々は続く
(柚野真也)