グッドルーザー② 男子バスケ柳ケ浦 悔しさから踏み出す一歩
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第3Qにファウルが重なり、逆転を許すが、「負ける気は全くしなかった。勝負どころで一気に突き放せると思っていた」と松本。磨き上げた守備は機能し、懸念材料であった得点力は全員でカバーした。「ゴール下のフセインを気にして外からのシュートが消極的になるのは分かっていたので、ファストブレイクをつくり出す形の守備をした」(中村監督)。第4Qも一進一退の攻防。仲間、石川も美技を連発し興趣を大いに盛り上げた。
残り2分を切った時点で柳ケ浦が追い詰めた。中村監督が勝負どころだったと振り返った場面。全員がディフェンスリバウンドで体を張り、得意の速攻を何本も仕掛けたが、「足が止まり、消極的になってしまった」。高さで勝る相手に接点ではじかれ、一つ一つのプレーが止まって攻撃が停滞し、最後は62-68で試合を終えた。
ただ、1年前はシードに入らなかったチームだ。決して一級品といえない素材を磨きに磨いて、戦える選手、チームにしていくのが中村監督のイズム。そんな手づくりのチームが2連覇を達成したチームを追い詰めた。「奇麗ごとは抜き。勝負は負けたら終わり。この悔しさ、結果を受け止めなければいけない。ただ、選手は、3年生は本当によく頑張った。勝たせてあげられなかったことが辛い」と目を真っ赤に潤ませ、選手一人一人にねぎらいの言葉をかけ、抱きしめた。
どこまでも信念を貫く監督とともに、悔しさを味わった下級生が飛躍を遂げることができれば、全国の扉は開かれるはずだ。仲間は「僕が泣くわけにはいかない。先輩たちの悔しさを来年は勝って晴らしたい。そのためには勝負どころで得点できる選手にならなければいけない」と話し、涙をこらえた。3年生の思いを胸に新たなスタートを切ろうとしている。
仲間廉人は美技を連発した
(柚野真也)