県高校総体前特集 バレーボール女子(3)国東 力を伸ばすため、焦らず準備中 【大分県】

2025/05/09
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 それでも、辻監督はチームの現在地を冷静に捉えている。「今は成長途中。経験のない選手が多い分、伸びしろは大きい」と語る。特にエース候補として期待を集めるのが、2年生の黒木春奈だ。左利きのアウトサイドヒッターとして、高さとパンチ力を兼ね備えたポテンシャルの持ち主。監督は、波のあるプレーもキャリアの浅さゆえと受け止め、「卒業する時にバレーが好きでいてくれたら」と、長い目で育てている。

 

 チームを束ねるキャプテンは高橋愛海(3年)。真面目で素直な性格だが、勝負どころでの弱さが課題だった。しかし今大会では、そのリーダーシップに変化の兆しが見られた。試合中の立ち振る舞いには、キャプテンらしい自覚と責任が芽生えつつある。

 

 辻監督はこの大会を「ホップ」、県総体を「ステップ」、そして春の高校バレー県予選を「ジャンプ」と位置づける。選抜経験者がいない今のチームは、春や夏の段階ではまだ勝負できる状態にはないと見ている。だからこそ「無理に勝負を仕掛けるのではなく、焦らず、化学反応が起こるその瞬間を見極めたい」と静かに燃えている。

 

 

エースとして期待される黒木春奈

 

 

(柚野真也)

 

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