全国高校サッカー選手権大会県予選 準決勝レポート

2018/11/13
  • 冬の全国大会

 第97回全国高校サッカー選手権大会大分県大会は10日、大分スポーツ公園サッカー場Bコートで準決勝2試合が行われ、2月の県高校新人大会で優勝した第1シードの柳ケ浦と全国高校総体に出場した第2シードの大分が決勝に駒を進めた。

 柳ケ浦は大分上野丘を2-1で退け、13年ぶりに決勝へ進出した。先制したが追いつかれる重苦しい展開になったが、後半21分にこの試合2得点を挙げたキム・チョンニョン(3年)が勝ち越し点を奪った。大分も先制後、同点に追いつかれたが、焦らずに試合を進めオウンゴールで競り勝った。

 

強力な攻撃陣がけん引する柳ケ浦

 

準決勝

柳ケ浦 2-1 大分上野丘 

  前半1-0

  後半1-1

 

 今大会3試合連続得点中のチン・ソル(3年)と芝崎翼(2年)、キムの強力な前線の選手が、序盤から大分上野丘を圧倒した。右サイドの大村幹太(2年)からのクロスを軸に、ジンと芝崎の2トップが互いに良好な距離感を保ちながら、逆サイドのキムが攻撃に絡む。前半30分の先制点は2トップのマークが分散した隙を突いたもの。芝崎がゴール正面でボールを収め、パスに反応したキムが落ち着いてゴールに流し込んだ。柳ケ浦は得意とする形からの得点で主導権を握った。

 

 後半は一転。同点に追いつかれてからは我慢の時間帯が続いた。「相手が勢いに乗り受け身になってしまったが、後悔しないようにプレーしようと思った」とキム。チャンスがあれば積極的に仕掛け、後半21分にはこの日2点目となる決勝ゴールを決め、チームの勝利に貢献した。

 

 韓国から留学したキムは昨年6月に右の中足骨を骨折し、1年間サッカーができない日々を過ごした。「何のために日本に来たのか」。焦りと不甲斐ない気持ちを整理できずにいたが、「父親のような存在」と慕う野口健太郎監督や仲間に励まされリハビリを続けた。今年の県高校総体前に復帰したが、再び悪化。今大会の1カ月前にようやく復帰した。これまで試合に出られなかった思いを爆発させ、初戦から2試合続けてハットトリックを含む毎試合ゴールで10得点を挙げている。「これまでチームに迷惑をかけた。監督や仲間、そして家族に恩返しをしたい」。決勝戦も自らのゴールで勝利に導くと誓った。

 

今大会10得点のキム・チョンニョン

 

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