バサジィ大分 バンディエラ仁部屋和弘がまれな存在である理由 【大分県】

2023/06/03
  • バサジィ大分

 今季の仁部屋は個人調整でコンディションを整え、開幕1週間前に初めて実践練習に加わった。狩野新監督は「仕上がりが悪ければメンバー外を考えていたが、しっかりと開幕に合わせていた。今でも日本代表選手と同じレベルのフィジカルがある」と目を見張った。20代の若い選手が多い中で開幕戦に起用したのは、「若手が勢いに任せてプレーするだけでは決して勝てない。攻めあぐねるときもあれば、押し込まれっ放しのときもある。そうしたときにベテランというのは変化をつけて勝利に導いてくれる」との強い思いがあったからだ。

 

 仁部屋自身も「話さずとも分かる」と言わんばかりに、コートに立てば監督の描くプランを遂行し、チームが苦しいときは周りを鼓舞した。全盛期のように、ドリブルで抜き去り一人で得点まで完結するようなプレーはないが、試合を俯瞰(ふかん)して、自分が持つオーラや経験値で試合をコントロールする術を知っている。開幕戦の同点弾から逆転するまでの間、ギアを切り替え「ここが勝負どころ」と背中でチームを引っ張った。試合後に「課題は多いが、勝つことで得るものがある」と汗を拭い、勝利をかみ締めた。Fリーグ通算200得点まで、あと2点。仁部屋和弘に新たな勲章が加わりそうだ。

 

今も「フットサルが楽しい」と語る仁部屋和弘

 

 

(柚野真也)

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