大分トリニータ 予期せぬ事態に問われる「監督力」 下平隆宏監督の手腕に期待

2022/09/03
  • 大分トリニータ

 監督には大きく分けて二通りあって、「こういうプレーをやってほしい」と要求するタイプと、「これさえしなければ、あとは好きにやっていい」と選手に委ねるタイプがある。下平監督は、開幕から数試合は前者であったが、連戦が続き、メンバーがそろわないことが増えて後者に移行した。

 決められたことをやり遂げようとすると、相手の出方によってうまくいかなくなり空回りすることがあるのだが、大分はそれが少ない。相手が激しく寄せてくれば裏の空いたスペースを狙うし、それほどプレッシャーがなければゆったりとボールをつないで展開している。味方と相手の状況を見ながら、パス、ドリブル、あるいはサイドチェンジやオーバーラップなど効果的に使い分けており、相手にとってはなかなか対応しづらい。一方の守備は「軽い失点が多い」(下平監督)ともろさを露呈しているが、最低限の制限を設け、個人の判断を重視しながら絶妙なバランスで機能できるように手は打っている。

 

 リーグ戦は残り9試合、12勝13分8敗、勝ち点49で暫定7位の大分は、ここからが正念場となる。保田、MF佐藤丈晟に続き、昨日アカデミーから3人の高校生がJリーグの試合出場が可能となる2種登録に追加された。これが何を意味するのか…。意図しないことは今後も続きそうだが、数々の難問に柔軟に対応してきた指揮官の手腕、そして勝負師として采配に期待したい。

 

窮地に立たされても笑顔は絶やさない下平隆宏監督

 

 

(柚野真也)

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