全国高校野球選手権大分大会 大展望

2019/07/07
  • 高校野球

 日本文理大学付属から大分豊府のブロックで注目したいのは、大分国際情報、大分商業、情報科学。“ストップ・ザ・文理付”を胸に真っ向勝負を挑んでくるだろう。それぞれ総合力が高いが選手個々の力もあり、“激アツ”なブロックとなりそうだ。力ある刺客を迎え撃つ文理付は、伊志嶺吉盛監督のひとつの集大成のチームとなった。「3年で甲子園で戦えるチームをつくる」と宣言した伊志嶺監督が、3年かけて鍛え上げた選手たちの覚悟、思いは強烈だ。切り込み隊長の東門寿哉(3年)、大エース翁長佳辰(3年)を投打の軸に大暴れしそうな予感はある。

 

 明豊から大分西のブロックは、今大会も優勝候補筆頭の明豊。直近の10年間で4度の優勝を誇る。全国に名をとどろかせる強豪は、今春のセンバツでベスト4と結果を残した。大きく、強く振るを合言葉にしっかりタイミングを取って、下半身を使ってフォロースルーなども大きく振り切る。どんなプレースタイルのバッターにも同じように要求し、“強打の明豊”が代名詞となった。しかし、今年は完投できる5人の投手を擁し、これまでの明豊と異なる印象を受ける。「ピッチャーがいいとバッターが甘える」と川崎絢平監督は危惧するが、鬼に金棒。センバツで勝ち上がったように投手が試合をつくり、集中打を浴びせて勝ち上がる必勝パターンに持ち込めば、中津東らの追随を許さないだろう。

 

 今大会は梅雨入りの遅れと大雨の影響で、最後の調整が思うようにできず不安を抱えての開幕となる高校は少なくない。ただ、連戦をこなし勝ち上がることで一気にチームがまとまりをつかみ、上昇曲線を描いていく選手、チームが生まれてくるはずだ。高校3年生にとって最後の大会、この夏に懸ける思いを見届けるのも、楽しみのひとつであることは間違いない。

 

 

(柚野真也)

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