県高校総体前特集 バスケットボール女子④ 勝利への欲が増した中津北がリベンジに燃える

2021/05/02
  • 高校総体

 確かに中津北の歴代チームに比べ、現チームはシュート力や走力、高さなど、あらゆる項目で下回る。それでも、昨年のウインターカップの出場経験がある三重野暖(3年)やキャプテンの木村果鈴(同)が軸となり、南九予選では新1年生を起用するなど“チーム力”は低くないことを示した。大津留監督は「まだまだ一から言わないと何もできない」と話すが、これまで、前評判が高くなくとも全国へ導いた指導経験がある。県高校総体までに、課題として投げ掛けたチームの決まり事を、全員が理解し共有できる「足し算」のチームを作る。そこから2つ、3つと約束事を増やし、実践できる選手が増えれば「掛け算」のチームになるという“皮算用”だ。

 

 木村は「できないことが多すぎるから、まずは自分たちで決めたことを徹底したい」と監督の考えを理解しており、「声を出し、ルーズボールやリバウンドなど泥臭いプレーを当たり前にできるようになれば、勝負はできる」と、先輩から受け継いだ中津北の伝統スタイルを表現しようとする。大津留監督は「ストーリーがあり、シナリオがあり、イメージが必要。それが中津北のバスケだ」と、独特の言い回しで選手にメッセージを送った。「まずは方向性を決め、3年生がチームを引っ張っていきたい」と木村。負けたことで勝利への飢えは増している。修正課題も明確となった。強く荒々しい守備の片鱗を、県高校総体で見ることができそうだ。

 

キャプテンの木村果鈴

 

 

(柚野真也)

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