3年生、冬物語 vol.2  まだみんなとバスケがしたい(中津北高校)

2019/01/08
  • 冬の全国大会

 右膝前十字靭帯を損傷した木村彩華は、昨年8月に復帰。「高校3年間の集大成」と位置付けたウインターカップに間に合った。本調子ではなかったが、けがと向き合い途中出場してチームの力となった。「自分の役割に徹する」と試合前は同級生、下級生に声を掛けた。コートに立てば、「周りの支えがあって今がある。悔いのないプレーをしよう」と気迫あるプレーでチームを活気づけた。14分のプレータイムには感謝の気持ちが詰まっていた。試合後は誰よりも涙した。「インターハイを逃したので何としても後輩を全国大会に連れて来たかった。私たちは1回戦で負けたけど、ベスト8を狙えるチームになってほしい」と後輩に夢を託し会場を後にした。

 

 2得点に終わった後藤祐佳だが、ゴール下で汗かき役となりチームを支えた。「派手さはないが堅実にプレーできる」と大津留監督が話すように、ポストプレーで相手のマークを引きつけ、味方にフリーでシュートを打たせる。果敢にゴール下に飛び込み、思うようにリバウンドは取れなかったが相手に簡単にボールを与えなかった。「会場の雰囲気にのまれ、いつも通りのプレーができなかった」と悔やみながらも、3年間の練習の成果をプレーで発揮した。試合後は多くを語らなかったが、「まだみんなとバスケがしたい」とポツリと話した言葉は、3年生全員の気持ちを代弁していた。

 

ゴール下で体を張った後藤祐佳

3年生、冬物語 

vol.1 不遇の時代を過ごした3年生が礎を築く(別府溝部学園高校)

 

(柚野真也) 

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