ラストバトル〜3年生、最後の戦い〜 駅伝女子 大分西、最後まで走り抜けた3年間

2021/11/24
  • 冬の全国大会

 大会当日は痛み止めを飲んで中継所に立った時、不安な思いは吹っ切れなかったが、「仲間がつないだタスキをゴールに届ける」。小松はそれしか考えなかった。唯一の同級生の奥西つばさ(3年)からトップでタスキを受け取る。奥西の「楽しんで走ってきて」との言葉がうれしかった。満身創痍(そうい)の小松の走りにいつもの力強さはなかったが、気力と感謝の思いだけで5キロを走り抜く。ゴールで待っている仲間は温かかった。「1位でもらったタスキを2位に下げて悔しいけど、全ての力を出し切った。3年間頑張って良かった。支えてくれた方々に感謝しかない」と涙が止まらなかった。

 

 宮川監督は「3区まで下級生が流れをつくり、4区の奥西が意地を見せてくれた。一瞬でもトップに立つことができた。小松も最後まで自分の役割を果たしてくれた。よくやったとしか言いようがない。120%の出来だった」と選手をたたえた。奥西は「これまで結果を残せなかったが、最後の最後で力を出せた。頼りないキャプテンだったけど、みんなに支えられて最高の結果が出た」と笑みを浮かべ、小松は「今日ほどタスキの重みを感じたことはない。1、2年生は力のある選手が多いので、来年はトップでゴールテープを切ってほしい」と下級生にタスキを託した。

 

会心の走りを見せた奥西つばさ

 

 

(柚野真也)

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