敗者の涙③  全国高校バスケットボール選手権(ウインターカップ)女子県予選 情報科学 後輩に思いを託しコートを去る3年生

2020/11/14
  • 冬の全国大会

 井上聖也監督は、「いつも通りの試合はできたが、悪いときの“いつも通り”も出てしまった」と試合を振り返った。それは、チームの柱である庄本にボールが集中すること。チーム内でも経験値の高い庄本は、大分のディフェンスに動じることなくカットインで得点を重ね、ファウルも誘ったが、強引な場面も多かった。県高校総体後は庄本自身も「もっと周りを見てプレーしたい」とそれを反省材料として自覚していたが、大分の強度の高いディフェンスに阻まれた。それでも井上監督は、「苦手意識の強かった大分に対し、今日は勝てると自信を持っていた。強い気持ちを持てるようになったのは成長の証」と選手たちの健闘をたたえた。

 

 庄本は「1対1でも勝てる自信はあった。悔しいけど、これが自分たちの実力。私を信頼してくれていた監督の期待に応えたかった」と涙を拭い、監督への感謝を口にした。さらにけがを抱えていたチームメートへの気遣いも見せ「決勝でユニホームを着せてあげたかった」と話した。実力を出し切れなかった植木は、「自分より(身長が)低い相手にリバウンドを取られてしまった。いいところが出せなかった。みんなを東京に連れて行きたかった。後輩には大分ナンバーワンになってほしい」と次の世代にその思いを託す。3年生の2人がそろって語ったのは「仲のいいチームでバスケができて楽しかった」ということ。目に涙を浮かべながらも笑顔で高校生活最後の試合を終えた。

 

チームの軸となった植木詩織

 

 

(黒木ゆか)

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