ヴェルスパ 今季全日程が終了 ネクストレベルへの道

2020/12/15
  • ヴェルスパ大分

 天皇杯4回戦はJFLの新旧王者対決となった。今季優勝のヴェルスパ大分と5連覇が途絶えたホンダFCとの試合は見応えのある内容だった。

 序盤からホンダが小気味良いパスワークで主導権を握った。ボールを動かしながら、正確な技術をベースに攻撃を繰り出し、3トップを裏へ走らせるシンプルさも織り交ぜた。対する大分もボールを動かし、どこにスペースがあるかの判断の引き出しを見逃さずに相手を動かす。須藤茂光監督は、後半勝負と考えていた。「スコアレスで前半を終えれば、相手の足が止まると思っていた」

 

 しかし、指揮官のプランは崩れる。前半14分にサイドチェンジからピンチを招き、失点する。「ミスから失点したが、そのままやり方を変えなかった」(須藤監督)。最少失点で前半を終え、ハーフタイムでは「守備が機能していない」との声が選手から上がったが、須藤監督は「見直すべきはシュート0本に終わった攻撃」と伝えた。「攻撃が中途半端で、大事なところでパスミスやトラップミスが起きる。確実にパスをつなげばチャンスはある」と話し、選手をピッチに送り出す。

 

 後半最初から前田央樹に代えて中村真人を投入し、2トップから1トップ1シャドーにシステムを変えることで流れを引き戻す。「マコさん(中村)が出てから前線にターゲットができ、攻撃が明確になった」と瓜生昂勢。高い位置までボールを運び、起点をつくる。ほとんどの時間で攻勢に出る。決定機の数では相手を上回ったが、ゴールが遠かった。須藤監督は「相手は決めるべきところで決め、我々はそれができなかった。個人の力量差が出た」と負けを認めたが、「一方的にやられたとは思っていない。詰められない差ではない」と来季への課題とした。

 

JFLのMVPとなった瓜生昂勢

 

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